図を使って倍の見方を広げよう~小数のかけ算 第2時~

公開日: 2024年1月27日土曜日

 小数のかけ算の第2時における子どもたちの姿をお伝えします。

第2時

第2時では、次のような場面を提示しました。

「7個のバケツがあります。1つのバケツに水が3.6L入っています。全部で何L入っていますか?」

かけられる数とかける数を反対にした問題です。反対にすることで、次の2つのことを期待しました。

①立式でつまずいた子に図で説明したり、「ひっかけ問題」だと思って場面を図で表したりすることが行われる。

②「7×3.6こ分がおかしい」ということに気付き、(1つ分)×(いくつ分)の考えが適用されないことに気付く。

小数の倍に向けて、子どもたちが図を必要感をもって扱うことが大切だと思うので、特に①の姿を期待しました。

めあてをみんなで考えた後、出された考えには次のようなものがありました。(出た順番に書いています)

かなこ:小数点を考えずに計算し、最後に小数点を加える。(①)
ひろと:整数の筆算をして、最後に小数点をうつ(②)
かずや:さくらんぼ計算として、3と0.6に分けて計算する。(③)
ふみや:小数の筆算をしていく。(④)

これらの発言の後、①と②の考えに対して、どっちも整数の計算をしていることや0.1のいくつ分で考えると整数のかけ算として考えられることが共通点として出されました。
また、③と④の考えに対して、同じ手順でやっていることを確認していきました。

その後、ひでこが板書中央下にあるような図をかいて説明していきました。

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ひでこ:私は、図で考えました。(〇の中に3.6と記入し、それを7こかく)
    計算としては、3.6×7でしたけど、図ではこうなりました。
C  :それって、かけ算というか、その図だとたし算っぽくない?
ひでこ:確かにそうかも。
きりと:なんかかくのがめんどくさそう。
T  :そっか。じゃあいいところはないのかな?
はるこ:いや、「かけ算」っていうことは分かりやすい。
あいか:そうそう。7×3.6って変じゃないですか。
しゅう:確かに。3.6こ分って変!
T  :いくつ分が小数だと変なんだね。


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子どもたちは、立式でつまずくことはありませんでした。しかし、前時から「図で表すとかけ算の状況が分かる」という経験をしたため、ひでこのような図で表す子が多くいました。

この姿はとても素敵なのですが、「小数の倍」に向けては、立式や説明のためにテープ図や数直線図を扱えるようにしていくことが重要です。

子どもたちは、ひでこの図のよさを認めながら、「面倒くささ」も感じています。

より抽象化され、数が大きくなっても表しやすいテープ図や数直線図を、子どもたちが自ら用いたくなるための手立てが必要だと感じました。

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