かけ算(1)〜かけ算九九〜 「2×6は何?」8時間目
公開日: 2023年10月15日日曜日
今回からいよいよかけ算九九の学習に入りました。かけ算との出合いをじっくり行ってきたことにより、子どもたちはかけ算で表しやすいまとまりの形を見出してきました。
その学びを、現実場面からかけ算の式を立式することや「いくつずつ」といったまとまりをアレイ図などの数学的表現を表す姿へとつなげていきます。
かけ算九九を学び進めるにあたってもう一つ工夫した点があります。それは九九の出合う順番を変えたことです。教科書は「5とび」の考え方から5の段を皮切りにスタートします。今回は6の段以降の学びにつなげるために、5の段を分配法則の視点からも捉えながら構成していけないかと考えました。
まずは、2の段から始めて、4の段をします。これにより、4の段の中から2の段を見出すことができると考えました。そのような学び方を価値付けていくことにより、新しいかけ算においても分解して考えることができるようになると構想しました。
4の段以降は、3の段、5の段と学び進めていくことになります。
本時ではそのスタートとなる2の段について紹介します。
この時間は、前時に子どもが見つけてきたトイレのスリッパの写真から始めました。
スリッパが6足分並んでいます。
C「2×6があります。」
C「6×6かなあ」
C「お尋ねです。どうして6なんですか?」
C「どこに6があるのかなあ」
C「今回は、2が6個あるって意味なんじゃない?」
C「まだあるんじゃない?」
C「5×2+2×1もある」
子どもたちの中には、12このスリッパから12を作る方法へと目が向いている子もいるようでした。
そこで、一番初めに出てきた、2×6に着目させていきました。
C「2は一人分のスリッパを表しています。」
C「それが6人分だね。」
C「2が6個ある。2足が6個あるね。」
ここで2×6はいくつなのかを全体に問いかけたところ、3割がすぐに答えられないという状況でした。この後、子どもたちは2×6の答えを説明するべく、様々な表現物を使い始めました。
お弾きやブロックがわかりやすいからと算数ボックスを準備し始めた子、ノートに言葉や式を書き込み出す子もいました。
この時間から、「モデルシート」も活用し始めました。本校算数科では、頭の中にある概念を自分の中や友達間を媒介するものとしての数学的表現を「モデル」と呼んでいます。この単元の中でも、子どもたちが生み出してきたものを「いつでも、いくつでも」使い直せることができるように、教室の壁面に設置しました。そうすることで、これまでのモデルを新しい問題に対しても、活用できるか検討しながら、新しいモデルへとつくり替えていくことができるようにしました。
・・・
C「どういうことだろう?」
C「どうして2×6なのに、2×4なってるの?」
C「そういうことか。お花の一個ずつが6個分だと思ってるんじゃない?」
C「それだと8個だよ?」
C「黄色が2で青が6を表してるんじゃない?」
C「全部1個ずつで考えました。」
C「黄色が2だとしても、答えは10なってしまうよ。」
C「多分、黄色が2つで2で、青が6個で2×6って意味じゃない?」
C「これは式を表していて、どうやってたし算してるかはわからないなあ。」
子どもたちがモデルとして表現したものの中には、積を求める方法を表しているものもあれば、このように式自体を表しているモデルもありました。
・・・
C「この図はどういうことかな?」
C「2個お菓子が入った袋の箱を考えました。2個で1つのセットになっています。」
このように、前の小単元でお菓子によるまとまりづくりを進めてきたからこそ、出てくるお菓子のモデルも出てきました。2個セットという言葉も前の小単元で扱っていたことにより、子どもたちにとってイメージがしやすい図になっていたようです。
・・・
C「これってどういう意味ですか?」
C「丸が2個ずつあって、それをかけてってなってるのかな。」
T「図と数字が一緒になってるね。」
C「お尋ねです。どういう計算になっているのですか?」
C「この2が6つあって、2×6なってます。」
C C「1足で2こ、2足で4こ、3足で6個、4足で8こ5足で10こ、6足で12なってる。」
C「2倍、3倍、4倍ってなってる」
C「2つずつ増えているね。」
ここまでで、2×6が12になることをみんなで確かめていきました。
最後には、九九の唱え方を、先ほどでできた1足、2足と絡めて×6まで確認をして終わりました。
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