じゃんけんゲームをプロデュース!4・5時間目

公開日: 2026年1月3日土曜日

 算数科の津川です。

ここでは、じゃんけんゲームをプロデュースの4時間目と5時間目の授業を合わせて紹介させていただきます。4時間目と5時間目に関しては「組み合わせ」を取り扱っています。この2時間でゆっくりとそして実感を伴いながら理解をしている姿をお伝えできればと思います。

まず4時間目ですが、3時間目のブログで紹介させていただいた最後の振り返りを共有するところから始めました。



 この班では、上の写真のように4つの手を使うじゃんけんを開発していました。まずはこのじゃんけんを他の班は、まだどのようなじゃんけんかわかっていないため、実際に体験してみる時間を取りました。

T「2班が開発したジャンケンのちょっと手を紹介しましょうか。」

C「どう?どう?」

T「1個目どっちだ?これは?名前は?」

C「壁」

C「で、次は?ぐー。こぶし。ライト」

C「次は?これ?」

C「コウモリと水鉄砲」

T「じゃあ、ジャンケンしてみて」

ここからじゃんけんを代表で前に来て子どもたちにしてもらいました。

C C「最初はぐーじゃんけんポン!」

C「ライトと壁!」

C「これは壁が勝つね」

じゃんけんのやり方を確認したところで、それぞれ子どもたち同士で実際にやってみる時間を取りました。

C「いや分からないよ」

C「勝ち負けを頭に入れてる人もいそう」

C「わからん」

C「何がどうなってるの?」

ここで、実際にじゃんけんをしてみることで、何が何に勝つかわからないと、困っている子どもたちがたくさん出てきました。この様子を見取り、その思いを全体で共有しました。

C「何が何に勝つかわからないよ」

T「最初何を出したの?」

C「コウモリです」

C「僕は壁を出したよ」

T「この場合は?」

C「コウモリが勝つんだね」

2枚目の写真のような勝敗がわかる図は、まだ子どもたちと共有していないです。ですので、勝ち負けに関しては、このじゃんけんを開発した班に1回1回聞かなければいけない状態になっていました。ここでそれぞれのじゃんけんの組み合わせについて考えている子がいたため、その子の姿をみんなに紹介しました。

T「他にどんな場合があると思う?」

C「壁とコウモリかな?」

C「ライトと壁もあるよ」

T「それぞれどっちが勝つのかな?」

C「コウモリと水だったら、何か水が勝ちそうだよね」

C「他のまだ他の組み合わせがあるよ」

C「組み合わせは12こかな?」

ここで、ジャンケンの組み合わせいくつあるかそれぞれで考える時間をとりました。


ここからは、4手じゃんけんを考えていた班の話し合いの様子を取り上げます。

C「これとこれとこれはさ、グーチョキパーと一緒じゃない?」

C「でも追加されてるんだよ?」

C「だからちょっとこの2つが最強でこいつが一番いいけど」

C「組み合わせで弱いのが出てこない?」

C「それだとこれが一番弱くなる?」

ここでは、組み合わせを考える中での勝敗も同時に考える姿がありました。

C「組み合わせだからちょっと。並べ方も私の並べ方とやっぱり違うんだよね」

C「組み合わせ方と並べ方は違うんじゃない?」

C「いや違うよ」

C「組み合わせは、もう一個組み合わせて反対だったら、組み合わせが2倍じゃない?並べ方もこうなっているし」

C「並べ方と組み合わせ方って違うのかな」

C「組み合わせるときはグー、パー、パー、グーもあるけど、これは並べ方の考え方だよ。これとこれと。これが組み合わせただけじゃない」

C「こういう組み合わせとこういう組み合わせがあるじゃん」

C「こういう並べ方とこういう並べ方がある」(具体例を紙にかいていました)

C「パーを先にするのと、グーを先にするのする。組み合わせがあるじゃん。それを1つの組み合わせとしても考えられるよ」

C「んー…並べ方と組み合わせて一緒だよね?」

C「違う。組み合わせは順番関係ないもん」

C「並び方は12、21なのかだよ」

C「じゃあ組み合わせ方は順番はどうでもいいのか」

C「待って何人でやる場合だと…」

C「4人でやったら変わるの?」

C「変わるでしょ。組み合わせは何人の場合なんだろう?」

C「2人だったら2つの方法で…」

C「4人だったら4つ作らないと」

ここで、4人ほどで話していた集団から、別の子どもも巻き込んで、ここまで理解したことを説明する姿が出てきました。

C「2個を1個として、全部1個なんじゃない?」

C「並べ方はA BとかB Aとか、組み合わせ方はは A と B の1つを取ってるってことで、並びを考慮しない」

C「だから A、Bの組み合わせも同じとして」

ここで、このじゃんけんが用いている壁、ライト、コウモリ、水に要素を当てはめ直して、整理する姿がありました。

C「そういうことですね」

C「こういうことかな?」

C「こういうことかと。組み合わせだから壁とライトのライトと壁が一緒」


また全体を見ると、このじゃんけんの組み合わせに、2人でじゃんけんをするパターン(並べ方を考慮する方法)やあいこを入れるのか、そもそも被りがあってもいいのかなど考え方がさまざまであったため、全体で、上の写真の樹形図を基にして確認することにしました。

C「今回は勝ち負けのパターンを考えるだけだから、AさんとかBさんとか関係なくて、組み合わせだけを考えるといいよ」

T「例えば、何と何について話しているのかな?」

C「壁とライトだった時には、壁とライトとライトと壁は2つを1つに」

C「どっちが勝つかを考えると、A、Bを決めておかないといけないからね」

今回の、勝ち負けのパターンを考えるならば、6通りであるという理解をさらに促すため、表の考え方をしていた子どもを取り上げました。

そして、表の中のどこに6通りがあるかを確かめていきました。

C「でも、これはやっぱりあいこの部分がないよ」

C「あいこの部分は、この真ん中の線のところになるね」

C「ということは、あいこも入れると、10パターンあるよ」

C「左下は、全部被りパターンになるね」

ここでもう一つの数学的表現を共有しました。それが、以下の図になります。


T「これは6ある?」

C「線を数えるといいよ」

C「6あります」

C「1、2、3、4、5、6」

T「よし。これでさあじゃんけんできそうだね」

C「まだできないよ」

C「水は何に勝つんだろう?」

C「何が何に勝つかわからないよ」

C「勝つ方向に矢印を加えればいいんじゃない?」

ここで上の写真のように、この図を考えた班の子に、勝敗のわかる印を書き加えてもらえました。

T「この図の名前は何にしようか?」

C「勝敗図にしよう」

ここから、このじゃんけんの勝敗を決めていきました。

C「あの4つの普通っていうか、さっきの1つだけが強くなった感じだよ」

C「強いのが2個できるから。だからこれでいい」

C「これだとさ、勝ちやすいのと負けやすいのが出てくるよ」

C「一番弱いのが出てきていいのかな?」

C「このままいったら、壁とライトが負けやすくて、水とコウモリが勝ちやすいよ」

T「これでじゃんけんできるの?」

C「勝ちやすいのを予測するから、これでも成り立つんじゃないかな?」

C「そもそも、4つじゃ平等にならないんじゃない?」

C「3個だったから平等になっていたんだよ」

C「このじゃんけんは平等にする気がないじゃん」

C「真ん中の線(対角線)を消して周りだけにするといいんじゃない?」

C「矢印の方向を変えたら?」

C「それでも平等にはならないよ」

C「矢印は10個だから…」

C「やっぱり平等なら3個にしないと」

ここで、あいこの選択肢が出てきたので、その考えを共有しました。上の写真の対角線の部分が両方向に矢印をかくことで、あいこという選択肢が出てくるようにかき換えていました。

C「そうか、さっきの1周にするのと同じような考えだ。勝ち負けは平等になるね」

C「あーなるほど、このパターンは平等になるね」

ここで、下の写真のような4つの手のじゃんけんではなく、5つの手のじゃんけんだったら、どうなのかと発展して考えた図を黒板にかかせました。

T「何をかいたかわかる?」

C「じゃんけんが5個だったときのパターンだね」

C「じゃんけんが5個だった場合の勝ち負け」

C「ここだったらこれ平等になるね」

C「1つの手が必ず2つに勝つようになるから平等になるよ」

C「もう1個手が増えたら、その手の形はどうなるんだろう…」

ここで時間がきてしまい、振り返りかく時間にしました。この時間の振り返りは下のような振り返りがありました。


この振り返りは被りをどうしたらいいのかについて具体的にかいています。この時間で話題になった、並び方と組み合わせ方の違いについてしっかり実感することができていると感じています。
この時間の最初と、最後の樹形図を比べることで、組み合わせについての理解を深める姿がありました。

このように最後の五角形の考えから、偶奇性を基にして発展させながら考えている姿もありました。


この後、5時間目では、これらのじゃんけんの考えを基にして、熊本県球磨地方の伝統的なじゃんけんである。球磨拳を紹介しました。球磨拳は片手で0から5を示し、じゃんけんを行う方法です。つまり、6つの手でじゃんけんをすることになります。前の時間では5つの手のじゃんけんまでしか扱っていなかったので、このさらに発展した考え方になります。この題材を扱った意図として、4時間目に組み合わせに関する様々な数学的表現が出てきました。それらの数学的表現の中で組み合わせを考えるために最適なものを選択しつつ、前の時間に取り扱った「並べ方と組み合わせ方」の違いについての理解を深めようと考えました。

子どもたちにこの球磨拳を紹介したところから、ブログにまとめていきます。

C「この前は10パターンあったね」

T「今日は何パターンあると思う?」

C「何パターンになるのかな?」

C「25通りかな?」

C「50通り?」

C「これが5個あるから…」

C「0とするとここから、5つずつあるから…」

前の時間の考え方を使って、今回のじゃんけんのパターンは幾つあるのかを数え上げようとする姿がありました。また、教室の横にはこのような掲示を学びの足跡として行なっています。

ここには、子どもたちがこの単元で見いだした数学的表現をラベリングして掲示しています。また、子どもたちの振り返りと共に掲示することで、その時のエピソードと合わせながら働かせた見方・考え方を振り返ることができるようにしました。





まずはこの黒板の左側にある表の考えと、この単元の初めの方に出てきたゴリ押し図を黒板にかかせました。

すると、以下のような気付きが出てきました。

C「1.2.3.4.0…」

C「6+5+4+3+2+1かな」

C「左の数より右側が低い数のときを足して」

T「今言ったことわかる?」

C「もう一回左側の数で、例えば左側の数字が 3 だった場合、右側が 0から1、2、つまり3より低い数の場合、3未満の数のときに数えないってことです。表で言うと囲まれているところです」

T「右側の数字は左側の数字 未満?」

C「いや待てよ。未満か以下かどっちかな?未満かな?」

C「どっちだ?」

C「未満はその数を含まないから」

C「以下のときはあいこの時を考えてる」

T「今回考えるのは?」

C「以下のときだね」

これらの考えを聞いて、隣の子と納得したことを話し合う姿もありました。

C「そう言うことか!」

C「0と5と5と0も結局一緒だから、含まないってことだよ」

C「あっ並べ方じゃなくて組み合わせってことね」

ここまで納得した子が増えてきたので、黒板の写真の右上の樹形図をかいた子の考えをもとにもう一度振り返ってきました。

T「これまでの図もだけど、消されているところがあるね。どこが消されているのかな?」

C「同じパターンだよ」

C「あいこを入れなかったら15になって、あいこを入れると21になるよ」

C「0と1だったら、1と0と重なっているからね」


ここまでで21通りということを確認した上で、本物の球磨拳のルールを解説しました。

本物のルールは、勝敗図でいう対角線がどれも不成立の状態になります。

つまり、連続する2つの数字を出したときのみ、じゃんけんが成立することになります。

(5は0に負けることになります)

これは、黒板の写真の右下にある図が表しています。この状態のことを食物連鎖と表現している子もいました。

このじゃんけんの方法を確認した後、それぞれ2人組になって、このじゃんけんをしてみることにしました。

さらに、このじゃんけんを確かめた後には、それぞれの班で考えているじゃんけんを、自分たちが伝える学年に対して、わかりやすいように開発する時間をとりました。このように、開発したゲームを紹介する相手を設定することで、この単元で表出した数学的表現を振り返りながら、また、設定した相手の学年に合わせた内容に調整しながら、ゲームを作り替えていく姿がありました。この時間の振り返りは下のような様子です。


前の時間で重なりのイメージが難しくても、他のパターンで考えてみることで、より並べ方と重なり方の違いが明らかになること
も大切だなと感じました。



偶奇性に着目した子の中でも、このように偶数の手のじゃんけんで、発展させてできるパターンを見いだす姿もありました。

さらに、単元全体の振り返りをかく時間も設定しています。その振り返りのいくつかを紹介します。


このように、単元で出てきた数学的表現をまとめながら、並べ方と組み合わせ方について具体的な例を挙げ説明をしている姿もあります。

この振り返りをかいた子は、この単元でできた様々な数学的表現をまとめながら、並び方と組み合わせ方の違いについて理解しようとする姿がありました。


単元を通しての自分の学び方を振り返る子の姿もあります。どうして間違えたのかを言語化できる事は、自分自身が何がわかって、何がまだわかっていないのかについて客観的に見ることができている姿の1つなのかなとも思います。


この振り返りは、先程の5時間目で偶奇性に着目して、振り返りをかいていた子の単元の振り返りバージョンです。授業の中で得た気付きから、さらに探究を進める様子もあります。


単元の中で出てきた並べ方と組み合わせ方の違いについて、パターンの数等にも着目しながらまとめている姿もありました。


子どもたちは単元終了後、他の学年やクラスの子どもたちに、自分たちが開発したじゃんけんを伝えに行く姿がありました。その中でもじゃんけんのルールなどが伝わりやすいように、樹形図などこの単元で見出した数学的表現を用いて紹介しようとする様子もありました。

この授業の手立てや意図を含めたより具体的な様子を全国算数授業研究会の新潟大会で、またこのゲーム開発の6年生最終形態を本校の研究発表会でお見せすることができればと考えています。本年もどうぞよろしくお願いします。


算数科 津川郷兵


  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A

0 件のコメント :

コメントを投稿