簡単な割合①
公開日: 2023年7月26日水曜日
本校2年目 算数科の内田です。
今回は,九州の算数教育研究会で行う「簡単な割合」の単元を紹介します。
この単元では,
①ある二つの数量の関係と別の数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があることを知ること
②図や式などを用いて,二つの数量の関係どうしの比べ方を考察すること
をねらいとしています。(小学校学習指導要領解説編 算数編,p.217)
そして,倍で比べる際には「比例の関係を前提としていること」が重要になってきます。加えて,割合の学習では「何を1(基準)とするか」も大切にする必要があります。
差と倍の比べ方を考察する中で,倍による比べ方は「比例の関係を前提としていること」「基準が異なっているもの同士を比べられること」の2つが明らかになるとよいのではと考え,単元を構成していきました。
それでは,第1時を紹介していきます。
第1時では,2つの比べ方があることを知ること,2つの比べ方を図で表すことを大切にしました。そこで,あえて,問題場面を「クジラの親子の体長を比べる」の1つだけにしました。
「クジラの親子の体長を比べましょう」と板書すると,子どもたちから,「親の体長が分からないと…。」「子どもの体長もいる。」との発言がありました。
そこで,「子 3m,親 12m」と板書すると,子どもたちは,「4倍だ!」「9mだ!」と言い始めました。
「それぞれどんな風にして比べたのかわかる?」と聞き,めあてを設定しました。
本時では,学習を進めていく中で,「どんな図があるのだろう?」「その図はどういう意味?」と図を中心に数学的表現の違いを大切にし,そこに問いをもってほしかったので,敢えて,子どもたちが「簡単そう!」と思える導入にしました。
話し合いを進めていくと,やまとさんの図(板書右下付近のクジラを書いたもの)に対して,「はるさんのと似ている」「あいなさんじゃない?」などとつぶやきが聞こえてきました。
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T:今,やまとさんの図を見て,はるさんのと似ている,あいなさんのと似ているって聞こえたんだけど,気持ちわかる?
C:はい!
C:だって…。
C:はるさんと似ている!
C:いや,あいなさんでしょ。
T:じゃあ近くの人と話し合ってごらん。
(近くの人と交流)
るな:私は,はるさんと似ていて,全部が12mあって,かたまりが3mあるところが似ている。
C:あいなさんにも3ある。
C:え?あいなさんにあるの?
みさき:あやねさんでいうと,この線で区切っているところ。
るな:どっちにも3のかたまりがある。
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「簡単だな。」と考えていた子どもたちも,友達との数学的表現の違いに気付き,数学的表現を交流したり,友達の表現に印を入れてより分かりやすくしたりしていきました。
その後,こうたさんを意図的に指名し,その意味を解釈していきました。
こうたさんの図に「1」があることに気付いた子どもたちは,「3のかたまりが1ってこと」「だから4つあって4倍」と考えていきました。
終末には,2つの比べ方があることを確認し,算数日記を書かせておわりました。
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