6年 比 「くじ引きゲームをプロデュース!」第3時
公開日: 2025年5月15日木曜日
算数科の津川です。
この時間は等しい比とは何かを理解するために、「量は違うけれど同じ色になる組み合わせになるもの同士」に目を向けていきます。
上の写真のように、3つの緑色になる組み合わせを提示するところから始めました。
C「緑になる!」
C「青緑?」
C「これは、緑になる組み合わせだよ」
ここで、青の横に②、黄色の横に③を付け加えました。
C「あっ黄緑になる」
C「青が3だったら青緑になるよ」
次に、青の横に⑥、黄色の横に⑥を書き加えました。
C「緑だね」
C「普通の緑になるよ」
C「これは完璧な緑だ」
最後に、青の横に④、黄色の横に⑥を書きました。
C「黄色が濃くなったね」
C「黄色が強い」
C「青も強いよ」
C「青の色は濃く出るからね」
C「青と緑の比を考えたら、4:6は2:3になると思うから、同じ色なんじゃないかと思います」
T「・・・同じなわけないよね」
CC「同じになるんじゃない?」
C「約分をするんじゃないかな」
T「どうして同じ色になるの?」
ここで子どもたちは思ったことを呟き始めました。
その思いをまずはノートに書き込むことを促した上で、「どうして同じ緑になるの?」と課題を設定しました。
今回は、課題を解決する見通しを立てることができていたこともあり、スムーズに課題解決に向かう姿がありました。
なつき「青と黄色だから緑にはなるよね」
しんじ「青が4で黄色が6で、、倍倍になってるんだよ。青が40%、黄色は60%になるね」
この時間はどちらかというと、個別で考えているようでした。一度全体で考えを共有する時間にしました。
この考えを黒板に書いたときに、3人ほど付け加えたいと手を挙げた子がいました。その中に、しんじさんとれいとさんもいました。3人に黒板に書くように促しました。
もう一つは、下の写真の考えです。
複数の考えが出てきたので、1つ目の考えとその前に黒板に書いていたもう一つの考えの共通点を見付けさせました。
二つとも2倍していたところから、同じ数をかけていることを見いだしていきました。
そして、次の式を黒板に書かせました。
この子は、個別の解決のときに比の値を求めていました。私が、「この考え方はなんだったか」問うたところ、思い出せなかったようだったので、教室の側方に掲示してある学びの足跡に自ら歩み寄り、言葉を確認する姿がありました。
その姿を価値付けた上で、次のやりとりをしました。
T「これは何をしているかわかる?」
C「比の値を求めています」
C「約分もしているよ」
ここで、約分とはどのような操作であったかの確認を行いました。
C「約分は最大限まで割ることです。例えば、4分の2だったら2で割れます」
C「等しい分数のうち、分母の小さい分数にすることです」
最後に、授業の中盤からいい具体例があると語りかけてきてくれる姿があった子どもに、全体で語ってもらいました。
C「青を食塩として、黄色を水だとしたら、同じ濃度の食塩水だったら、どれだけ足しても濃さは変わらないじゃないですか。食塩が1だとして水も1だとすると、その食塩水はどれだけ足しても濃さは同じ1のまんまになるんじゃないかな」
C「濃度が同じって話か」
ここで、等しい比についての言葉を確認しました。さらに今回の2:3と等しい比を3つ書くように促しました。
きまりがあるとたくさん見付けて書く子もいれば、大き等しい比を決めて計算する子もいました。また、小数で表している子もいました。この時間の2時間後の時間になりますが、小数や分数を用いた比を簡単にする学習にもつながる姿であるように感じます。
そして、子どもたちに本当にこれらの緑は同じ緑になりそうか問いかけました。
すると、子どもたちはインクを手に、試し始めました。
なつき「最初は3滴の方をやろう」
しんじ「じゃああとは6滴、混ぜてみると・・・同じ色になってるよ。量が違うけど」
「本当に同じ緑になっているか」を試す活動が終わってきている班が多くなってきたところで、オリジナルの色とマークを決めるよう促しました。
れいと「これでいこう」
なつき「本当にこれでいいの?」
しんじ「赤を入れよう1・2・3・・・。青は0.5がいいんじゃない?」
なつき「もっと入れようよ」
しんじ「じゃあ2:1にする?」
れいと「黄色は15滴?」
なつき「あと5滴入れてみるといいかも」
C「(黄色が多くなりすぎて)汚れた池の水みたいになってない?」
なつき「60滴と0.5滴になったよ。マークはどうする?」
しんじ「星?ハート?」
れいと「漢字にしてみようよ」
しんじ「それでいこう」
子どもたちはそれぞれの班、オリジナルの色とマークを決めるところまで進めました。この班は、前の時間からそうですが小数を比によく用いています。小数を用いた比に関しては、5時間目に取り扱う予定です。
この時間の算数図日記です。
線分図に表すことで、全体が見やすくなることを見いだしている子がいました。半分になっていることを点線で表現しているところなど、よく伝わりやすくなっているように感じました。学びの足跡に載せることで、価値付けを行いました。
このような瞬間を自覚する積み重ねが、他者と共に学ぶ心情を育む素地を形成していくのかなとも感じています。しっかり価値付けたいなと思っているところです。
本時において、このブログの他の場面でも出てきましたが、大きさが2倍になってもその比率が変わらない、特に、食塩水の話など令和4年度の全国学力・学習状況調査の果汁ジュースの課題を、直接的に言及しているような話だったと思っています。今回、様々な数学的表現を用いて、「どうして同じ緑なのか」を追究する姿もありました。割合の理解が徐々に深まってきているようにも感じています。
次は、今回の等しい比の考え方をもとにして、当たりカードを作っていきたいと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
算数科 津川
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