対称の授業(プロローグ)

公開日: 2018年6月20日水曜日

6年「対称な図形」についての授業を提案していきます。

そもそも,なぜ「対称」について学ぶ必要があるのでしょうか。
私は3つの理由を見いだしました。
1つ目:「対称」に含まれる「美しさ」を感得させる
2つ目:今まで認識してきた図形を「対称」という新たな見方で見直す
3つ目:中学校で学習する「移動」についての素地を養う

挙げればまだまだあるのでしょうが,大きくこの3点を意識して実践していこうと考えました。特に3つ目については,全国学力学習状況調査でもあまりよろしくない結果が出ています。例えば,平成28年度中学校数学のB問題で次のような問題が出されました。

回転の中心をBとして時計回りに120°回転させることを記述すれば正解ですが、正答率は何%だったと思いますか?



なんと,14.8%です。記述式ということを考えても低い正答率ですね。

この原因がどこにあるのかと考えたときに,私は6年生の点対称な図形の取り扱いに原因があるのではないかと考えました。特に作図です。点対称な図形の作図は,教科書では一般的に下図のように「指導」されます。
対称の中心は対応する頂点を結ぶ線分の中点になることを使って作図をしています。
この方法は非常に合理的で「きれいに(正確に)」作図するためなら非常にいい方法と思います。
しかし,点対称な図形の最大の特徴である「180°回転」という要素が含まれていません。図形は作図の仕方を考えるときにこそたくさん頭の中で操作し,その性質に思いを巡らせると思っているのですが,そんなことはしなくても「きれいに」かけてしまうのです。
「作図」を「図形をきれいにかくための技能を伝える学習」と捉えるならばこれでいいでしょう。しかし,「作図」を「図形の概念を獲得するための数学的活動」と捉えるならば,新たなアプローチをつくり出す必要があります。


このような思いをもち,対称についての実践を行うことにしました。

次回から授業の様子をお伝えしていきます。
  大林将呉

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