第1学年 繰り上がりのあるたし算 第1時

公開日: 2024年10月14日月曜日

 今回は、繰り上がりのあるたし算の第1時について報告していきます。

 <子どもたちの実態>

その前に子どもたちの実態ですが、本学級の子どもたちは、これまでのたし算やひき算では、「(たし算やひき算の)問題見つけ」を、3つの数の計算において、「問題づくり(子どもにとってはお話づくり)」を経験しています。(ただし、3つの数の計算の問題づくりは単元末に1時間のみ)

これらの実践において、子どもたちはとても意欲的にしていましたが、「問題見つけ」では、子どもたちは数にあまり着目しない姿がありました。それは、「見つける」ことが中心だったからだと考えます。また、「問題づくり」において、子どもたちが考えやすいように食べ物の絵を準備していましたが、「もっと他の場面も考えたい。」「数をもっと大きくしてみたい。」という思いをもっていました。

 これに加え、一部の子どもたちの間で、作品作り(絵本や漫画づくり)にはまっていました。今回の実践で、「お話づくり」をしたいと考えていたので、作品作りコーナーを設け、学級の子どもたちに紹介する場を提供しました。すると、さらに多くの子どもたちが、作品作りに取り組み始めました。

 さらに、3つの数の計算で問題づくりをたのしんでいた子どもたちに、「絵本でも『お話づくり』があったよ。」と伝え、本単元に入る前に事前に読み聞かせを行いました。

 

(まつい のりこ,「はじめてのたしざん」,偕成社,1984)

これらの手立てにより、できる限り子どもたちにとって自然な形で、わくわくできるように「たし算のお話づくり」を提案できるようにしました。

 <第1時 繰り上がりのあるたし算との出合い>

ショッピングモールの絵から…

本時では、まずショッピングモールの絵を提示しました。ここから、様々なお店があること、本屋やたこ焼き屋からたし算のお話を考えることによって、たし算の場面を具体的に想像しながら、既習のたし算を明らかにしていきました。

 その上で、ドーナツ屋さんの8+4の場面を提示しました。

 ちなみに、数を提示するときは、いずれも「買い物袋」から絵を1枚ずつ取り出し、「いくつかな?」と子どもたちが数に着目できるようにしました。

 子どもたちは、絵を見て、あるいは暗算で8+4=12であることを答えたため、どうやって計算したの?と問い、本時のめあてを決めていきました。

 8から数えた方がはやいよ

本時では、取り上げる考えの順序が重要だと考え、次の順で意図的に指名していきました。

①絵をつかった数え上げ(1から順に数える)

②8からの数え足し

③ブロックを使った数え上げ

④加数分解しているブロック

⑤加数分解している式

 子どもたちのほとんどは、ブロックか図を用いて、個数を数えて答えを確かめていっていまいた。その多くは「数え上げ」です。

 その考え(①)を取り上げた上で、「みんな1から数えていったんだね。」

すると、ある子が「ぼくは8から…。」とつぶやいたので、その子に発言を促し、②の数えたしの方法も明らかになりました。

 

10のかたまりだ

その後、③を取り上げ、④の加数分解をしている子どもが発表をしました。

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ゆうた:ぼくは、8にこっちの2をたして、そのあとまた2をたして12にしました。

C数名:あ~。なるほどね。

しょう:2をがっちゃんして、さらに2こがっちゃんしたんだ。

えいし:10のかたまりだ。

T  :10?どこに10があるの?お隣さんと話してごらん。

あいこ:ここのね。8と2があるでしょ?ここが10だよ。

しんた:ぼくは、同じだけど、式でした。

    8+2+2=12(⑤)だよ。

T  :なるほど。でも“4”ってどこにいったの?お隣さんと話してごらん。

Ca :2+2だよ。 / 4を分解して、2+2になった!

T  :なるほど。4を分解して2+2にして、その1つのを8とたしたんだね。

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 このようにして、加数分解の計算方法をたしかめていきました。

 終末には、子どもたちに、本単元で何をしたいか尋ねました。「またお話づくりがしたいな。」という発言があったので、そうする?と聞くと、「いいねぇ!」と反応が返ってきたので、お話づくりをすることを確認し、算数絵日記「あのね」をかかせて本時を終えました。

 

本時の板書

 


本時では、多くの子どもたちがブロックを使って12が正しいことを確かめていきました。それにより、「数え上げ」による答えの求め方がほとんどを占めていました。実践を振り返って、もっと「8からの数えたし」と「加数分解による8+2」を関連付けるべきだったと感じました。

そうすると、同じ「数える」でも、数えたしの価値がより明らかになり、ブロック操作においても、そのような姿が生まれ、加数分解のブロック操作につながっていくと思いました。

 

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