第1学年 繰り上がりのあるたし算 第3時

公開日: 2024年10月15日火曜日

 今回は、繰り上がりのあるたし算の第3時について報告していきます。

 <第3時 「考え方」の書き方の考察>

「考え方」のかき方が分からない

本時では、前時の終末にかいた「算数絵日記 あのね」を3つ紹介しました。いずれも『考え方』について困ったことをかいたものです。

①「考え方」のかき方で困った。

②「考え方」をみんなに分かりやすくするのが難しい。

③図をかくと「考え方」が分かりやすいと友達が教えてくれた。

というものです

そこで、「みんなの『考え方』はどう?」と問うと、分かりやすい、うまくかけなかった、かけていないという反応が返ってきました。

そこからめあてを「みんなに『かんがえかた』がつたわるようにしよう」と決めて解決していきました。

 なお、本時では、9+6を扱いました。これは、第1時で思った以上に「10のまとまり」を意識する子どもが少なかったことから、より“10”をつくりやすくなる数値設定にしました。

 10のまとまりをつくったんだよ

この時間では、主に2つの考えを取り上げました。

①丸図で10と5をしているもの(しょう)

②式の6を分解してかいているもの(りんな)

 

①については、次のように説明していきました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しょう:ドーナツが9こあって、1をあげて10になって、10のまとまりと5のまとまりをたした。

Ca :分かりやすい。

えいし:10と5で15ってことね。

T  :でも“6”はどこにいったの?

わくと:6が最初あって、1こ9にあげちゃって、10。残りは5こ。

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このようにして、少しずつ“10”を意識する子どもたちが増えてきました

②について、次のように説明していきました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~りんな:しょうさんといっしょで、丸をブロックに変えて考えた。

T  :6をどうしたんだろうね。

Ca :1と5に分けたってかいてあるよ!

T  :どうしてりんなさんは、どうしてこうわけたのか、お隣さんと話してごらん。

ひなこ:あのね。10に近い方を動かして10にした。

えいた:10に近い方にたして、そして、10にした。

T  :10に近い方って何のこと?

C1 :え~、わかんない。

T  :隣の人と話してごらん。

えいた:10に近い方っていうのは、“9”。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このようなやり取りから、9と6では、9の方が10になりやすいということを確認していきました。

 

この後、実際に自分の問題の「考え方」を見直す時間をとりました。りんなさんの式のように書き直す姿が見られたのは、全体の4割ほどで、残りの4割くらいの子は、まだ「考え方」でかいていなかったところをかいたり、図や式をかき加えたりする姿ありました。

一方で、まだ困っている子がおり、特に5+8になる問題をかいていた子は、「先生、やっぱりまだ難しい」と悩んでいました。詳しく話を聴くと、9+6のことはわかったけれど、私の問題だとできない気がすると話してくれました。

 

ちなみに、この時点で、被加数分解をしてりんなさんのように表しているのは1名だけいました。やはり、小さい数+大きい数の問題をつくっているのは、半数近くいますが、「被加数分解」を思いつく子どもは少ないということが分かります。

 

また、本時の反省として、「どうして6を1と5に分けるのか」という点が不十分だと感じました。「10をつくるために」ということが、なかなか言語表現として出てきていません。

 

次時で被加数分解につながる問いは出てきているものの、この「10をつくって計算をしやすくする」という考えがもっと多くの子どもたちに広がっていく必要があります。よって、次時では、お互いの問題を解き合う中で、「加数を分解して10をつくる」考え方をよりみんなのものしていきたいと考えます。

本時の板書

最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

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