わり算の世界を広げよう 等分除の問題の意味を考えよう

公開日: 2024年7月9日火曜日

 C「昨日のようにテープで折ってみる実験をするとよかった。」

前の時間の学習の振り返りを紹介する中で、実際に操作してみることのよさを実感しているこの姿もありました。

子どもたちは、「操作してみること」=「実験してみること」と捉えています。

前の時間の段階で、7割の子どもたちがこの実験を行っていました。


この時間では次の問題を提示しました。

 この問題を取り上げた意図としては、初めての等分除に当たる問題で、包含除の考えをもとにした操作を行ってきたからこそ、今回の等分除に対しても意味付けをすることができるようになると考えたからです。
本学級においてはこのような等分除を取り扱った問題づくりを行なっていた子は一人のみでした。今回、数値をもそのまま取り扱っていた理由としては、この問題を作成した子が次の赤カード(解き方カード)において、わられる数とわる数をどちらにすればいいかを迷っている姿が見られていたためです。この時間ではその思いも一緒に取り上げることも一つの選択肢にありましたが、まずは問題の状況に子どもたちを引き込もうと考えました。

以下はこのカードの提示後の子どもたちの様子です。

C「これはぼったくりだ!」

C「10円?」

C「1万円?」

C「2.2÷22だね。」

T「2.2÷22なんだね。」

C「え?」

C「いやあってるよ。」

C「22÷2.2だよ!」

C「どっちでもいけるんじゃない?」

C「どっちもじゃダメだよ!」

子どもたちの様子を見る限り、若干22÷2.2の方が多かったです。

C「1cmを求めるならわる2.2なんじゃないかな?」

C「1cmあたりを求めるから・・・」

C「わる2.2をするなら0.1cm分の値段が出てくるよ。」

C「じゃあ22でわったら、1cm分が出てくるよね。」

C「よくわからなくなってきたぞ・・・」

C「いや、22でわったら1円あたりの値段なんじゃないかな。」

T「結局どれがいいの?」

C「どれでもいけるんじゃないかな。」

C「でも、現実の場面にするんだったら、2.2で割った方がいいんじゃないかな。だって0.1円なんてないんだし・・・」

その後、いずれか1つに式(もしくは両方の式)を選んで解いてみる時間に移りました。

今回は、前の時間の実験の学習経験により、すぐにテープを取り扱って考えようとする姿も多く見られました。ただ、今回の等分除の問題に関しては、テープを用いて表現することが難しいと感じている子もいました。状況を具体物で表すことが難しい分、意図的にテープを用いて操作することが難しい様子でした。



上のような筆算の式を書きました。

C「えっ?」

C「0.1円?」

C「ここは単位が違うよ。」

T「今、単位をどうすればいいのか困っているんだね。」

あとで、あとで単位の検討を行うために、一旦ここは次の考えに移ることにしました。(黒板の写真のcmは後付けです。)


次の子は上の写真の矢印の上にある式を書き始めました。
T「この式意味わかる?」
C「説明できます。」
C「この0.1cmが1円は前の式でも言えています。ここにある0.1cmの値段をまず出して、その10個分で10円になります。」

この説明は比例数直線を式で表したものになります。



次の子はこの考えを黒板に書き始めました。
C「なるほどね、m mで表すとわかりやすい!」
前の時間に出てきた考え方である、単位をcmからm mに変えることで10倍の計算の式がよりわかりやすくしています。

ここで、写真にあるように黄色で単位を書き入れて、何を何で割っているのかを確かめました。

T「結局、長さわるお金なの?」
C「いや、1cm分のお金を求めるなら長さでわってあげないといけないよ。」

ここで具体物で考えているこの意見を取り上げました。
C「これで22円なんだよ。」
C「そういうことなんだよ。」



T「これは何をしているかわかる?」
C「1mm1円になってる。」
C「0.1cmが1円ということだね。」
T「黒板で表せるかな?」
C「ここを22等分すると・・・」
T「これ1メモリは長さはどれくらいなの?」
C「0.1cm」
結果として、この図は÷2.2というより2番目に取り上げた考え方の図式バージョンになります。
長さをもとにして考えることで、それに伴って値段も変化していくことに気づく子どもたちも出てきていました。


T「いつもの問題とどこが違う?」
C「今回は2つの単位が入ってる」
C「数が2.2と22でわかりにくかったのかも。」


この時間の算数図日記になります。

算数図日記とは、振り返りプリントのことです。4月当初から、1時間の振り返りをファイルに蓄積させています。枠などは子どもたちと決めてきました。
上の部分は数学的表現を自由に書き込むことができるように少しスペースを開けています。


次は、商とわる数の関係について迫っていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

算数科 津川










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