第1学年 繰り上がりのあるたし算(第5時)

公開日: 2024年11月29日金曜日

 こんにちは。

今日は、繰り上がりのあるたし算の第5時について報告させていただきます。

本時では、被加数分解がやりやすい繰り上がりのあるたし算と出合う時間です。

前時の終末において、問題づくりで「6+8のかんがえかたが難しい」という子どもの発言から、その理由を考えました。

本時の導入では、その「難しさ」についてかいていた算数日記を紹介することから始めました。

みらいの算数日記

今日、昨日のりのさんのやつで9+4で、4から1をとったやつをしたよ。でも、今日難しい6+8をしたよ。6+8はどう難しいかな。大きい数が前左側にあったけど、大きい数が右にあったから難しいとわたしは思いました。

えいたの算数日記

難しい6+8はどちらも数が大きいから分けるのが難しいんです。

みらいさんの算数日記では、「数の大きさ」に着目したことが、えいたさんの算数日記では「数の分け方」に着目したことが分かります。これらの算数日記を基に、「どっちの数を分けると簡単にできるかな?」と子どもたちとめあてを決めて自力解決にうつっていきました。

子どもたちは、はじめ6をわけるとよいと予想する子が多かったものの、いざ自分でブロック操作でやってみると、8を分ける考え方でやっている子が大勢いました。1年生は「頭で考えること(念頭操作)」と「手を動かしてやってみること(具体物操作)」にずれがおきやすいのかもしれません。

そう考えると、「6と8のどちらの数を分けた方がよいと思うか?」という予想のずれを引き出す発問は、ずれを明らかにすることには有効でしたが、教師が子どもたちの考えを見取るための参考にはなりにくかったと思います。

さて、解決結果を交流する時間になり、まず、えいたさんの8を分ける考えを取り上げました。多くの子がこの考え方をしていたからです。

 その後、りのさんのやり方(俗にいう「さくらんぼ計算」)だとどうなるかと問いました。ただ、なかなかすんなりと出てきませんでした。第4時までで、子どもたちはこの方法がやりやすいと価値を見いだしていたものの、「使えるもの」までにはなっていなかったようです。改めて、個に返す時間の大切さを感じました。

その後、被加数分解(6をわける)の考えを取り上げていきました。

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りいこ:(黄色6こ、白8こ並べる。)黄色の2こを8に合わせて10にする。


えいた:ぼくも(その方法で)できそう。2を8にがっちゃん。

T  :りいこさんのしたことを、お隣さんと話してごらん。

しんじ:8と2で10だから、まずは2と8で10のかたまりをつくって、4をたせば14になる。

CC :あ~。まとまりをつくればいい。

ひまり:それって、ばいばいがっちゃん(ひいて、それをたす)でしょ?

T  :なるほど。2と8で10にして、あまりが…

しょう:4!だから14。それなら分かりやすい。10のまとまりをつくってみたら簡単かも。

れいあ:(分けるのは)どっちがいいんだろう?

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2つの解決方法が出されたことで、れいあさんが、分けるのは、どっちがいいのか?という疑問を口にしました。本来ならば、「どうして6を分けたのか?」を問うつもりでしたが、子どもたちの様子から、6を分ける価値を捉えることができていたため、れいあさんの疑問をみんなに問い返すことにしました。

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T  :今、れいあさんが「どっちがいいんだろう?」って言ったけど、みんなどう思う?

れいあ:どっちも決まらない。

ゆうり:私は6を分ける。

ひまり:わけが言えます。6から2を分けているから、いいと思う。

CC :そうそう。分かりやすい。

T  :なんで分かりやすいんだろうね。

しょう:6+8の方が10のまとまりをつくりやすいから、10のまとまりをつくって、余ったやつをたせばいいから。6+8をたした方が…

おうり:2を動かすだけでいい。

しょう:そして、あまったやつを足せばいい。

T  :れいあさんはどっちでもいいって言ってたね。

れいあ:6を分ける方は、2を動かすだけでよくて10になるでしょ。8を分ける方は、6と4で10になる。どちらも、10をつくっていて、ここがあまりで14。

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このやり取りのあと、8+8ならどうするか?を問いました。子どもたちは、どっちを分けても10のまとまりをつくることができるから、どっちでもいいと発言しました。

このように、れいあさんの考えを取り上げたことで、考え方を統合的に見る発言につながっていきました。

今回の実践を通して、課題の立ち上げの奥深さを感じました。今回は、かなり焦点化した課題(めあて)を設定しましたが、それにより、どうすればよいか困る子の姿があったり、ブロックでの解決が多くなったりしてしまい、取り組みづらい様子でした。個の活動がある程度しぼられるのであれば、課題を焦点化しすぎない方がいいように思いました。

次時は、本時を基に問題づくりをおこなっていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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