6年 比 「くじ引きゲームをプロデュース!」第1時

公開日: 2025年5月12日月曜日

 算数科の津川です。
 今年度は6年生の担任をしています。昨年度は5年生の担任でしたが、一緒に進級させていただきました。
子どもたちも昨年度と同じメンバーで共に学び合っています。
5年生から継続しているからこそ生まれる学びもたのしみにしているところです。


 今回は6年「比」の単元の実践について紹介していきます。
 令和4年度全国学力・学習状況調査において、果汁ジュースを取り扱う問題が出題されました。この問題において、「果汁20%に含まれる飲み物を飲んだ場合、そのジュースの割合も半分になる」と答えた子どもの割合は7割近い結果が出ました。この原因として、割合が表している比較量と全体量の意味を理解しきれていないところがあるのではないかと考えました。そのために、具体的なイメージを伴って、割合を理解してほしいという私の願いがあります。
 さらに、割合の学習において、全体量や比較量、割合を求めていきますが、全体量が変化する問題につきましては、重点的に取り扱われていない傾向があります。そこで、今回は全体量が変化する際の比較量を考察する活動を十分に行うことができないかと考えました。この活動を十分に行うことで、割合に対するイメージをより強固なものにしたいと考えています。

 この時間は、子どもたちから比に関わるイメージを引き出すこと、割合と比の概念をつなげることを意識して授業を行いました。


T「25%で当たるくじって言われたらどうですか?」
C「高くないですか?」
C「えっ4回に1回!?」
C「確率かなあ」
T「今、4回引いたら1回当たるって言ったけどわかる?」
C「確率的には当たるけど、必ずかはわからないよ」
C「運がよかったら一発で当たるかもしれないし、運が悪かったら当たらないかもしれない」
T「4回ってどうやって出てきたの?」
C「4分の1」
C「100分の25」
C「100回引いたら25回当たるから」
C「それを約分しているんだね」

その後、実際に確率25%のくじを引いてみました。
4人に引いてもらい、2人だけ当たりました。(やはり、現実はなかなかん上手くいかないところもあります)
この際に、くじをひきながら以下のルールを共有しました。
・あたりくじにはオリジナルの色とマークがあること
・それと同じものが描いてある、あたりカードがあたった時にもらえること
・一度引いたくじは、箱の中に戻すこと

そして、くじ引きゲームに必要なことを出し合っていきました。
C「箱が必要」
C「球が必要」
C「景品」
C「カード」
T「このあたりカードに描かれたマークの色、実は先生が作りました」
C「あー赤と青で作れそう」
T「まずは、このオリジナルの色を作ってみましょう」
ここから、「くじ引きゲームをプロデュース」することを共有していきまし、色の作り方や注意点を説明しました。

今回使ったのは、マゼンタ、シアン、イエローの3色の水性インクです。
蓋がスポイトになっているため、何滴ずつインクをたらしたかがわかるような形になっています。まずは、赤を2滴、青を1滴たらして、紫を作る実演を行いました。

ここから、それぞれの班の活動に移っていきました。
3人の12班あります。その中の1班の活動をこの単元を通して追ってみようと思います。
この3人班は、しんじさんとなつきさんとれいとさん(全員仮名)で構成されています。

しんじ「エメラルドグリーンを作ろう」
なつき「じゃあ青と黄色混ぜたら?」
しんじ「一回、1滴ずつたらすか」
なつき「え?それだと変な色になるよ」
しんじ「赤とか入れてみるといいんじゃない?白を入れないといけないんだっけ?」
なつき「緑だったら青と黄色なんだよ」
れいと「どうしようか?」
しんじ「いったん青たらしていい?何滴たらす?」
なつき「直感!1滴がいいかも」
しんじ「黄色は2」
なつき「緑じゃない?」
れいと「赤がダメなんじゃない?」

ここで3色とも混ぜてみて、うまくいかない様子でした。何度も色作りにチャレンジできる環境を作ったことで、このように何度も試行錯誤ができるようにしました。

なつき「黄色は何滴入れた?」
れいと「3滴入れたよ」
なつき「青は?」
しんじ「青入れたらもっと黒くなっちゃうよ」
れいと「黄色は4にしよう」
しんじ「青1の黄色4にしよう」
れいと「もう一度試してみようよ」
しんじ「一回0.5でやってみない?」
なつき「いい感じ!」
れいと「さっきより明るくなったね」
なつき「青0.5の黄色3がいいんじゃない?」
れいと「黄色8の青1.5はどうだろう」
 少量の量を表すために、小数の表現が出てきたことについて、とても驚きました。しかし、このように少量の方が明るい色を表せることから表現を工夫する姿も見られていました。

しんじ「明るい色を作ってみようよ」
れいと「じゃあ赤を入れようよ」
なつき「じゃあ赤と黄色にしない?」
しんじ「そうだね、赤と黄色にしよう」
なつき「黄色は何滴?5滴?」
しんじ「赤は?1なんだかめっちゃ赤になったね」
れいと「黄色15だったら?」
しんじ「黄色15?」
なつき「黄色15、赤が1、青は0.5」

ここで、他の班の色も黒板上で共有を始めました。それぞれの班、1番お気に入りの色を黒板に書く形で共有を行いました。
この班の子どもたちも他の班の色に興味をもってみている様子でした。

なつき「どれを黒板に書く?」
しんじ「この色にしようよ」


この班は、上の写真のように色を作り上げていきました。
一番のお気に入りは、最初に話をしていた緑だったようです。

他の班は、

このような色を作ったり、




足し合わせた色をさらに足し合わせてみるような姿も見られてきています。


それぞれの班は次のような色を黒板に書いていきました。
そこで、子どもたちとみんなで作った色が並んだ黒板を眺める時間をとりました。

T「なんか気付いたことある?」
C「5班さんが、合成したものをさらに合成しています」
C「宇宙色ってなんだろう」
C「何色?」

T「7班と9班が、同じオレンジって書いているけど、同じ色」
C「多分違う」
C「赤を使っている量が一滴だけ違う」
C「明るいオレンジ」
C「1班もオレンジですよ」
T「じゃあ3班オレンジなんだね」
C「全部違うオレンジだよ」
C「だって黄色が19だよ」
C「本当は38だよ」
C「比率が違う」
C「4:6とか」
C「比の話だね」

 19と38など、等しい比に気付き始めている子どももいるようです。比という言葉も子どもたちから出てきました。(まだ全体では丁寧に共有は行っていません)

ここから、算数図日記を書く時間をとりました。




 終末に出てきた比率という言葉が気になる子も出てきているようです。この比率に着目しながら、次時では3つのオレンジの違いに着目させていきます。
その中で、比と出合い、割合の考え方に戻ってその比べ方を確かめていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


算数科 津川
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