数のまとまりをつくり出そう(第2学年 「かけ算(1)」 第0時
公開日: 2025年10月26日日曜日
本校算数科、4年目の内田です。
今年度は、持ち上がりで2年生を担任しています。
かけ算(1)の実践について、11月の中旬までお伝えできればと思います。
さて、2年生の算数の授業で教師にとっても子どもにとっても、そして保護者の方にとっても関心が高いのが、この「かけ算」の学習です。かけ算の意味理解と2~5の段までの構成で「かけ算(1)」、6~9及び1の段の構成で「かけ算2」、これらに加え、九九表の学習があり、「かけ算」に関わる単元だけで2学期が終わるのではないかと思うほどです。
それゆえ、かなり実践事例が多い単元になっていますが、まだまだ研究の余地はあると感じています。特に指導要領や教科書を概観すれば、乗法九九を身に付けることだけでなく、その構成過程を大事にしていることが分かります。しかし、実際の現場では、まだまだ乗法九九を身に付ける方を重視しているようにも思います。
さて、「構成過程を大事にする」ということですが、具体的には、乗法九九を構成する際には、次のような方法があります。
①同数累加
②乗法の性質(かける数が1つ増えれば、かけられる数分、積が増える)
③交換法則
④かけられる数の分配法則
ただ、例えば6の段を構成する際には、6×1や6×5の場合から考えて、①や②を用いることが多いのではないでしょうか。これでは、とてももったいないと思いませんか?
もっと、子どもたちが、計算法則(③と④)を用いることができる機会を確保する必要があるのではないでしょうか?
問題場面に応じて、子どもたちが乗法九九の構成方法を選択する。そんな姿が「かけ算(2)」において見られるのであれば、とても素敵な姿ではないか。それこそが数学的価値を見いだしていく姿ではないか、そう考えます。
しかし、そのためには、6の段で急に③や④を用いるわけにはいきません。2~5の段までの構成(「かけ算(1)」)において、それらの考えに触れ、実際に用いてみる経験が重要だと思います。それにより、6の段以降の構成において、「分配法則ってとても便利だ!」「交換法則を用いれば、ほとんど九九が構成できる!」という気付きが生まれてくると考えます。
そこで、今回の実践においては、「かけ算(1)」の単元構成を提案していきます。本実践の提案性は、次の2つだと考えます。
① 2→4→3→5の段の順で扱うことで、交換法則やかけられる数の分配法則が表出する ようにすること
② 単元末に「3×15」の事象を扱うことで、かける数の分配法則に出合わせること
これらが子どもたちの学びにどのような影響を与えていくのか、どんな姿を見ることができるのか、共に考えていくことができれば嬉しいです。
長い単元になりますが、ぜひ、単元末まで読んでいただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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