数の世界を広げよう(数と計算の探究)「99個のリンゴゲームをプロデュース!」1時間目

公開日: 2026年2月2日月曜日

 算数科の津川です。

 この時間では「99個のリンゴゲーム」に出合わせるところから始めました。まずは、代表の班に教師用のカードをお渡し(1枚のカードははがきサイズです。)ルールを説明しながらゲームを行ってもらえました。

この時に確認したゲームのルールは以下の通りです。

・山札が60枚あること

・手札は4枚であること

・手札から1枚出したら、山札から1枚引くこと

・交互にリンゴカードを出していき、その和を考え、98個まではセーフだけれど98を超える数を出した人が脱落していくこと


 このゲームを実際にさせてみることで、すぐに「このゲームは成り立ってないんじゃないか」「これはじゃんけんで勝ち負けが決まってしまうのではないか」という気づきが表出しました。

 そこで子どもたちに話を聞いていくと、「周期が決まっているから、じゃんけんの時点で負ける人が決まるのではないか」という考えでした。4人の班でじゃんけんで勝った人を起点にして時計回りでカードを交互に出して行った際に、じゃんけんで勝った人の次の人が負けてしまうのではないかと予想していました。これは、98 ÷ 4を計算したときのあまりに着目して考えているようでした。実際にその後シミュレーションをしてみると、対角線上の人が負けてしまいその考えを修正している姿がありました。いずれにせよ、じゃんけんによってこのゲームは勝ち負けが決まってしまうということをが確認できました。ここから、どうすれば「99個のリンゴゲームがさらに面白くなるか」単元の課題である「99個のリンゴゲームをプロデュース!」を設定し、それぞれの班で試行錯誤を始めていきました。


 その試行錯誤していく中で、カード1枚に2個のりんごをかけばいいのではないかというアイディアが出てきました。このアイデアを共有することで、勝ち負けがじゃんけんにやらないこと見いだす姿が表出してきました。

この時、子どもたちに「りんごの数をどうかき換えたいか」を問うたところ、はじめ、98個にするなどのつぶやきも聞こえてきました。しかし、それだとそのカードを出した瞬間に勝ちや負けが確定してしまうことから、そこまで大きい数じゃなくてもいいのではないかと考える姿もありました。 そこから、かき換えるリンゴの数は10個以内ということを全体で共有してきました。

ここから、一つの班のやりとりについて紹介していきます。

C1「1人 20枚描くといいよ」

C2「1人 4枚。」

C2「りんごを描くの」

C3「描くの。最大 30 個描くんだよ。」

C1「違うよ。最大 10個だよ。」

ここでは、リンゴを増やすときのカードへのかき方を話し合っている様子でした。

C2「ちゃんとかいた枚数を数えないと」

C1「このカードは3にしよう」

T「これでゲームできそう?」

C2「なんかたのしくなりそう!」

C2「ゲームをしてみるよ」

C1「ちょっとシャッフルしないと」

 ここあたりで、カードにリンゴを描きを終わったので、一度自分たちの間でゲームをやってみる様子と移っていきました。



C2「わからなくなるから、計算してって」

C3「8」

C1「9が出たよ」

C2「9で4で…」

C2「1、2、3、4、5…」

ここから、ゲームがどんどん進んでいきます。

C3「50 」

C1「じゃあ、 56」

C2「60ですね」

C3「75」

C1「81か」

C2「82」

C3「92 になってた!」

C1「3で」

C2「俺が 5 を出したら。あれ?どうぞ出してください。98超えちゃうよ」

C1「どうやっても負けじゃない?」

C2「何を出してもダメなんだ。カードを半分に切って、そしたら…」

C3「それはダメだよ」

C1「勝った、勝った!」

 ここから、ゲームを盛り上がってきて、2回目のゲームを行う姿がありました。この一度自分たちで作ってみたゲームをやってみる時間を確保することで、他の班から出てくるアイデアについても共感することができる経験を、たくさん積むことができるのではないかと考えています。さらに、新たなアイデアも生み出すことができる時間を作ることができるのではないかと考えました。


 そして、全体で描き方について、工夫をしている班がいくつか見られてきたので、そちらの考えを共有しました。


 リンゴの描き方の工夫としては、上の写真のように、リンゴ10個の場合、りんごをそのまま10個描いている班もいれば、リンゴを1個描いて× 10としている班、数字を10と書いている班もあるような状況でした。


 これらの考えを共有したところ、10と書いたら、リンゴじゃなくなるのではないかという意見も出てきました。数字は数字であって、リンゴではないという認識で、このまま行くと、99個のリンゴゲームじゃなくて99個の数字ゲームになってしまうのではないかという発言もありました。ここでは、10と書くことで、これも同じリンゴが10個であるということを意味していることを全体で共有していきました。したがって、子どもたちの文脈の中では、数字の10と書かれているけれど、これは「りんごが10個」という意味と1対1対応しているということになっています。

 カードの表現の仕方を確認した後に、他の学年にみんなで開発したこの「99個のりんごゲーム」を紹介することを伝えました。他の学年に開発したゲームを紹介するという文脈は「じゃんけんゲームをプロデュース」で行っています。(ブログのURLを以下に貼っています。)

https://sansu-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/11/blog-post_30.html


 今回は、それぞれの学年に実際に伝えに行くのではなく、カードセットとその取扱説明書のみを配布しに行くことを伝えました。また、今回は、どの学年にゲームを伝えに行くのかという質問があったので、3年生以上に紹介するということを共有しました。


 上の写真は、取扱説明書を作るという話をした際に、班に1枚配っているホワイトボードへとルールをまとめる姿です。

 最終的にタブレットアプリの中にあるカードに取扱説明書をまとめることで印刷し、その該当学年へと配布することができるようにしたいと思っています。


この時間での振り返りを紹介します。


 UNOのゲームを基にして、新たなカードができないかを考えている子もいました。また、取扱説明書を作ると流れから、このゲームを理解することの大切さについて言及していました。


 この班では、リンゴを2個もしくは1個で構成された山札でゲームを行っていたようです。おそらく、全部1個だったときのゲームとあまり中身が変わらなかったことからリンゴ3個採用するという考えや、0個と言う考えにも言及しています。


 ギリギリの合計の数まで行った時に、後戻りできないことから「マイナスのカード」があるとより面白くなるのではないかというアイディアも出てきていました。またこの子はゲームを作る中で、スキップカードに着目している姿もありました。しかし、数カードでスキップを表すにはどうすればいいか困っている様子もありました。


 先ほどから紹介しているのですが、「マイナスカード」に着目している子がクラスの4分の1ほどいるため、この考えを共有するところから、次の学習を進めていくことで、「演算カード」に着目していく手立てとしていこうと思っています。


「演算カード」がゲームの中に入ってくることで、さらに「99個のリンゴゲーム」の世界が広がっていくことをこれからもたのしみにしています。最後までお読みいただきありがとうございました。

算数科 津川
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