数の世界を広げよう(数と計算の探究)研究発表会に向けて〜99個のリンゴゲーム編〜
公開日: 2026年1月21日水曜日
算数科の津川です。
前のブログに書いた通り、今回は単元の中心となる99個のりんごゲームについて解説していきます。このゲームは「ONO99」と言うUNOに似たゲームを基にして考えました。
4人1グループで行います。山札には60枚のカードが入っています。手札が4枚で、1枚出す度に山札から1枚だけ補充します。
子どもたちに最初に配る予定のカードは下の写真のようなカードです。
99個のリンゴゲームですから、もともとこのリンゴカードを使っていきます。はじめの人がリンゴカードを出したら、次の人がまたリンゴカードを出すでしょう。すると、1個のリンゴカードの上に1個のリンゴカードが置かれたため、合計で2個のリンゴになります。これを4人で交互に出していき、合計が99以上になるカードを出した瞬間に、その人は脱落になります。そして、最後まで残った1人が勝ちということです。すべてのカード、りんごが1個しか描かれていないため、合計60枚の山札から子どもたちは、ゲームが成り立っていないことに気付くでしょう。もしくは、山札がなくなったから、もう一回出したカードを山札に全部戻し、1から始めるという過程を繰り返すことで、毎回どこからゲームをスタートするかによって勝者が決まってしまうということを見いだすかもしれません。
そこから、このゲームを成り立たせるためやゲームを面白くするため(ゲーム性を高めるため)に「99個のリンゴゲーム」を開発するという文脈を生み出します。
ここで、開発するものは「カードゲーム」そのものになります。
60枚の山札の枠組みの中で、どのような“リンゴ”カードを増やすかを決めていきます。
ここでもう1つの枠組み、“リンゴ”カードは1枚のカードあたり、リンゴ10個までとします。この数値設定は乗法のきっかけになるように設定しました。(後ほど説明します。)
子どもたちは以上の枠組みの中で、山札を開発していきます。
さらに、山札を開発する過程において、リンゴを数で表そうとする姿を見取り、“リンゴ”カードを数カードとして表すことができるようにします。(以下のカードのような形です)
これにより、3個のリンゴを3という記号で表し、集合としての数のイメージを確かめていきます。数カードとして10以下のりんごの個数を表すことが可能になったことで、駆け引きが一気にできるようになります。つまり、ゲーム性が高まることになります。
子どもたちは、数をうまく調整しながらゲームを行なっていきますが、今回は、目的意識も大切にしていこうと思っています。
その目的意識とは、ゲームを他学年にもたのしんでもらうために、取扱説明書を作り、遊んでもらうということです。
目的意識を伴った前の実践は、「じゃんけんゲームをプロデュース!」をご確認ください。
他学年に紹介するという目的意識ですが、この後に出てくる演算の関係から、3年生以上の学年に限定し、1クラス、1ゲームセットを開発していきます。
この数カードに出合ってゲームが成立するようになった段階で、子どもたちに伝えることで目的意識をもつことができるようにします。
次に出合うゲーム開発の視点は演算です。
このゲームは基本的に加法による演算で成立していました。子どもたちに「もっと面白くなるゲームになるにはどうすればよさそうか」を問うことで、減法カードができないかなどの演算カードのアイデアを引き出していきます。
減法カードは下の写真のようなカードです。
このカードがあることにより、98までリンゴをカウントした際に、後戻りができるようにしていきます。もう負けるしかなくなったプレイヤーがここから形勢逆転することができるようにしていきます。
このような流れで、かけ算やわり算の演算カードを作ることができるようにしていきます。
また演算カードですが、1度に1枚だけしかカードを出すことができないため、A〜Dの4人がいたら、Aが演算カードを出すと、次はBが数カードを出すようにします。(演算カードを2回連続で出すことはできません。)したがって、その計算結果はCに影響してくるようになります。このような演算が出てくることで揺らぐゲームのルールも取扱説明書にまとめていきます。
ここまで学習を進めてきて、キーナンバーがあることに子どもたちは気付いていくことになります。それは、加法、減法における0の存在です。0を出すことでスキップすることが可能になります。しかし、乗法や除法に関しては同じ役割を担うのは1です。このように単位元や逆元の存在を実感することができるようにしていきます。
最後に、本時で出合う事象が除法における0の存在です。「0でわること」をこの取扱説明書に書くにはどうまとめていくとよいか考えていきます。
0でわることを子どもたちなりの言葉で意味付けします。
ちなみに、被除数が自然数のときと0のときとで意味合いが変化してくることも面白いなと思っています。
ここまで、99個のリンゴゲームについて説明してきました。
少し内容にも触れてしまいましたが、次回は単元計画において、どのような学習内容やそこで働かせたい数学的な見方・考え方を仕組んでいくかをまとめていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
算数科 津川
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