第5学年 「夜空に描く秋の大◯角形」(図形の角) 〜5時間目〜(本時)
公開日: 2026年10月12日月曜日
いよいよ本時になりました。この時間は、六角形の内角の和が720度になることを、角度を求めることができる形へと、意図的に分割をすることで、どの形も同じように内角の和を求めることができることをねらっていました。
六角形の内角の和については、単元の初めから目を向けていたので、導入の時間をコンパクトにして、この単元で初めて、みんなで「形を分割する見方」を表出させた上で、意図的に分割する場面において時間をかけたいと考えていました。したがって、前時の続きで振り返りなどを読ませることなく、こちらから単元の初めの時間を想起させ、六角形の内角の和へと着目させていきました。
まず初めに、単元の初めに見せた「冬の大六角」の写真を提示します。
T「これ何かな?」
C「六角形」
T「この六角形なんだけど、 (設計図に)六角形を描いてくれていた人がいます」
T「六角形。 ここまで来たらみんな何がわかる? 」
六角形の内角の和という言葉を引き出したく、少し待つ手立てと上の問いかけを行いました。しかし、前時では内角の和を取り扱っていなかったため、子どもたちからすぐに引き出すことが難しかったです。
C「六つの角と六つの辺」
C「内角。 六角形の内角」
C「 かける600?」
T「 今何を求めようとしてるの?」
C「 内角の和」
T「内角って、六角の内角どこだ?ここって書いてもらっていい?」
ここで内角を意識させるために、1人の子にどこの部分を指しているのか、紙に直接書いてもらいました。
C「六角形の内角、内角ここですよ」
C「全部書いて。6つあると思う」
C「6つ」
C「60が6個」
C「 180が2、3、4つ分か」
C「180が…」
T「内角の和は何度になると思う?」
C「600度?」
C「 えっと、だから720度」
C「720度なんじゃないかなって」
T「720度だと思う人?まだわかんないなぁと思う人?」
ここでみんなが六角形の内角の720度であるか、そうではないかを全体に聞きました。多くの子たちが720度だと思っている中、その理由はうまく説明できないと話す子も複数いました。
C「説明できる!」
C「説明はできない…」
T「今説明できますと言ったけど、どう説明しようと思ってるの?」
ここで、この後の意図的な分割の活動へと移していきたかったために、「分けて考える」ことへと焦点化させようと思い、上の問いかけを行いました。
C「三角形に分ける」
C「四角形にも」
C「まあ分けるけど」
C「確かに四角形」
C「本当だ。台形みたいな」
T「なんで、今三角形と四角形に分けるって言ったんだろうね」
三角形の四角形におけるという言葉が出てきたため、これまでの説明可能な既習の形と繋げようと考え、全体に上の問いかけを行いました。
以下は、一つの班の話し合いの様子です。
C「あの、あそこの真ん中のところでスパンって切ったら、台形とよくわかんない形の四角形になる」
C「これさ、五角形と三角形に分けるんじゃない?」
C「本当だ」
C「端だけ切り離したらいける」
C「そこまで分ける必要はないんじゃないかなあ?」
ここで全体で話をしていきます。
T「どうして三角形と四角形だったのかな?」
C「それぞれ六角形、三角形、三角形の内角の和が180度って分かったりしたから、それを使って何個かに分けたらやりやすい」
T「 内角の和が180度、それ何の話?」
C「 緑」
T「緑は?」
C「事実」
T「四角は?」
C「 四角形の内角の和が360度」
T「これは?」
C「事実」
T「これを使おうと思ったんだ。他の方法ある?今分けるってことが一つあるけど、他に方法ある?」
C「 全部測る」
C「測れるかなあ」
T「分けた方が簡単なんじゃないかってこと?」
C「 はい。でも正確です」
T「今こっちでは誤差が出てくるかもしれないって言っているよ。これどうですか?」
C「はい」
C「でも分けた方が正確ですし、早い」
C「他にも切る」
C「でもなんか分けると同じ考えなんじゃない? 分けるからまた切る」
T「切ってどうしようってするの?」
C「それで合わせて丸は何かとか、半分になるとか」
C「あ、もう一回。切って、 角を切って、で、それを合わせて」
C「くっつける方法」
T「どう?」
C「時間がかかるかもしれない」
T「何か思うことある? 」
C「え、あの、ほら、その角の円のところがなんかもう全部一緒に、なんか全部合わせて丸になるようにしないといけないから難しい。だからちょっとでもなんか丸が大きかったり小さかったりしたらやりにくいから」
今回は切って集める方法は難しいのではないかと言うつぶやきが聞こえてきました。ここで、1時間目からずっと切って集めて行っている子がどのように感じているのかを確かめたく様子を伺いましたが、まだ考えがまとまっていない状況のようでした。
T「じゃあ今、分ける、測る、切るが出てきたけど、どう?」
C「分けるがよさそう!」
ここから、黒板と同じ設計図を子どもたち配り、どうすれば、六角形の内角の和が720度であることを説明することができるのか、1人で考えたりペアで考えたり、グループで考えたりする時間を取りました。
グループでの様子を紹介します。
C「一度、分度器でも測ってみるか」
C「四角形と三角形でもいいのかな?」
C「いいんじゃない?」
C「だって180で、こっち360で、ここが180だから180、360、180でいいじゃん」
T「ちょっと一旦停止してもらっていいですか。720度見えてきたなっていう人どれぐらいですか?」
三角形のみに分割をしている子、四角形2つで分割をしている子、三角形と四角形を組み合わせて分割をしている子とそれぞれで考えている様子があったので、一度他の分割の仕方を見せることで、まだ複数の分割の仕方があることを見いだすことができるように、全体で共有をする時間を取りました。
T「今どうやって分けてた?」
C「四角形、四角形が2つだね」
C「360度と四角形の内角の和は360度。360度が2回。720度」
C「同じ」
C「360度だったじゃない。四角形が360と360だから足して720」
T「今言ったこともう一度言ってもらっていい?」
C「 360かける2で720」
C「どうして360なの?」
C「 四角形の内角の和が360だから、四角形が2つあって720」
T「 四角形が2つ。みんなこんなやり方でやったの?」
C C「違う」
C「そんな感じかなあ」
C「 違う分け方。 違う分け方がある」
C「いろんな分け方があるよ」
C「いっぱいあります」
T「2パターンあるの?」
C「まだあります」
C「2パターン以上あります」
他のパターンにも目を向けさせたことで、また個別で720度を説明する活動へと戻しました。
もう一度先ほどの班の様子を紹介します。
C「僕も同じ」
C「あれと同じ」
C「だから四角形ね、3つの場合で一番多い」
C「大抵三角形だね」
C「 なるほど五角形プラス三角形パターン」
C「 これは180度+540度で720度。」
C「そうそうそう。三角形と五角形パターン」
C「ここのピッて分けてば、180で180で180で180で720」
この班では、試行錯誤する中で、三角形と五角形を自ら見つけている様子があったようでした。授業の中で私自身この姿を見取ることができませんでした。また、この班においては五角形の内角の和を求めていないことには、班の中で立ち止まる姿は見られませんでした。
全体の様子を見ていて、多くの子たちが分けることに満足している様子を見取ったため、全体で考えを共有する時間を取りました。
T「これどう考えてる?」
C「 三角形四つに分けて…」
C「 三角形だから180かける4?」
C「これは720」
T「 三角形に分けた方法、四角形に分けた方法」
C「まだあります!」
C「180度かける2で360」
C「一番上のやつを逆に合わせたら。四角を二つに等分して、180、180、180。これを二分の一」
T「 これ式どうなりますか?」
C「 180かける2たす360」
C「最後に360をたす」
T「みんな同じやり方でやった?」
C「切り方違う」
C「 切り方が違うけど同じやり方でやった」
T「じゃあ。今、六角形の中にはどんな形があった?」
C「三角形と四角形」
T「 三角形と四角形しかないんだね。形は」
C「 五角形もある」
C「三角形と五角形」
C「でもまだしてない」
ここで三角形と五角形に分ける方法で描いてもらいました。
三角形と五角形に分割した図を描いてもらった後、これまでのみんなで確認してきた説明可能な図形ではない図形が目の前にあるという状況で、その状況を全体に浸透させるために、子どもたちが働きかけ始める姿を待ちました。
C「あ、はい。式いえます」
C「えっいえる?」
C「まだわからないんだよ」
C「五角形だから…」
C「あ、でもわかるわ」
C「三角形と四角形だから540なんじゃない?」
T「今式が言えるっていう人もいれば、わからないって言っている人もいるね。それぞれ気持ちわかるかな?」
C「わかんないのは五角形の内角で、五角形の内角は五角形と三角形と四角形に分けれるから」
C「例えば 180度たす 360 度で 540度なの。だから式が言えるって言っている人はそれを求めて言ってる」
C「 えっと、まだ五角形の内角の和を緑にできないからわからない。わかる人は多分なんか表みたいなのがわかる」
T「表」
CC「表?」
C「何?比例みたいなの?」
C「あっなるほどね!」
C「わかった!」
C「えー…見えないよ」
T「 でもそうね、五角形内角の和が求められてない。 これ五角形内角の和が求められてないから。 じゃあこれこのやり方では計算できないよね」
C「できます!」
T「五角形の内角の計算できる? 」
C「できる!」
ここで、今まで用いてきた六角形から五角形を取り出したものを使って、五角形の内角の和を調べる活動へと移っていきました。
この時間で六角形から五角形へと他の多角形に目を向けさせたことで、一般化させながら考える姿が多く見られました。また、先程の表の考えから五角形以外の内角の和と目を向ける姿や、紙を使わなくてももう内角の和が求められるとうれしそうに話をする姿も見られました。
C「五角形を三角形と四角形の二つに分けて、こっち側内角が360度で180だからたして540度」 T「答えは540度になったんだね。みんな同じやり方?」
C「違います」
T「どうしようとしてる?」
C「三角形が3つ」
C「180度×3は540度」
T「ここまでやって気付いたことはある?」
C「五角形の内角の和は540度です」
T「今のは言えるかな?」
C「言えます」
C「これはもう緑だね」
C「事実になりました」
五角形の内角の和が540度であることを全員で確認することができたため、先程の六角形を五角形と三角形に分けた図へと戻しました。そして、540度+180で720度になることをもう一度全員で確かめました。
ここで、先ほどもう設計図の使わなくても、内角の和が求められることに気付いた子にその考えを語らせました。
C「三角形の内角の和が180度だから、四角形が360度。四角形は要するに180度を2個あって360度だから、五角形も180度を三つ。だから要するに180度+360度をすると540度になるっていうか」
T「今言ってることわかる?」
C「三角形の内角の和が180度だから、四角形の内角の和は360度になって」
C「三角形が1こ増えるごとに180度増えるいことになるから」
C「多角形が一個増えると、三角形が一個増えるからさ」
ここで、他の子が「表が見える」と気づいたときに表書けばいいと嬉しそうに表を書き始めた2人のペアに、黒板にその表を再現してもらいました。その際に、その表と絡めながら、三角形が増えることを、星空案内板などを用いて確かめていきました。
C「ここに 三角形が2つ」
C「五角形は三角形が3つ」
T「何の表?」
C「三角形の…」
C「六角形だ三角形が4つあるから」
C「角の数引く2になってる」
C「三角形の角の数が 1個ずつ増えていくごとに、三角形の数が 1個ずつ増えていって、内角の和も180ずつ増えいるよ」
T「じゃあ七角形もわかるのかな?」
C「すぐわかるよ」
C「比例しているのかな?」
C「変わらないから比例しているのかも」
C「してないんじゃないかなあ」
この後、算数図日記にまとめる時間をとっていきました。
その振り返りは、最後に発言があった多角形の内角の和の増え方は比例しているのかどうかについて言及している振り返りです。子どもたちとは、比例とであった4月の段階から、この比例の見方を継続して働かせることができるように取り組んできました。だからこそ最後の発言が出てきたと感じています。
最後には、表をもとに見いだしたきまりから、式を考えた姿も見られました。
表に整理したことで、改めて180度増えていた部分が三角形が増えているという見方と変わっている姿もありました。
これまでは三角形と四角形を扱っていたことから、切って角を集めると半円(180度)や円(360度)となっていたため、簡単に切って集めることができていましたが、初めて360度を超える事象と出合い、集めることが難しいことを見いだす姿がありました。だからこそ、分けて考えることのよさに着目することができたと感じています。
多角形をこれまで見ていた見方から三角形のいくつ分と見ることができるようになっています。だからこそ、内角の和の構造にも気付くことができたのだと感じます。
他の多角形へと発展させて考える姿も見られました。
ここで紹介していない振り返りにも、多くの子たちが三角形をもとにすることで考えることができたことへと言及する姿がありました。
今年度、附属小に赴任をして初めて、図形領域の研究授業にチャレンジしてみました。授業について考えれば考えるほど、図形の奥深さや図形領域における課題も見えてきているところです。特に最後の場面では、対角線に戻して、どうして三角形が増えるのかまで着目できると、多角形の構造をより実感できたのではないかと考えています。
さらに、子どもたちの発言1つから、様々なインスピレーションが広がっていきました。そして、その発想は、すぐに子どもたちが実感するのではなく、目の前の図形を試行錯誤し続ける中で、じっくりと感じていくものだと改めて学びました。
個人的には「調整発話」の起点が今後の研究の鍵を握っているのではないかと思っています。まだあと半年子どもたちと実践をすることができますので、その起点を探りつつ、その成果の一端を令和9年2月13日の本校の研究発表会でお見せすることができればと思っております。
これで一度この単元は締めくくります。なお、偶数と奇数、約数と倍数の単元でもう一度図形の角と出合わせようと計画をしているところです。
最後にお読みいただきありがとうございました。
算数科 津川



















0 件のコメント :
コメントを投稿