がい数を使って伝えよう~ミニ新聞で読書冊数向上プロジェクト~①

公開日: 2023年6月30日金曜日

 今年度,4年3組の担任になりました。

本校2年目,算数科の内田武瑠(うちだたける)です。

現在、4年生「概数と四捨五入」で「概数を使って伝えよう~ミニ新聞で読書冊数向上プロジェクト~」という学習に取り組んでいます。

第4学年で行われる概数の学習では,数の処理の仕方として「四捨五入」を中心に扱うことが多くなっていますが,「令和4年度全国学力・学習状況調査」の結果では,「示された場面において,目的に合った数の処理の仕方を考察することに課題がある。」とされています。

つまり,目的に応じて,四捨五入だけでなく,切り捨てや切り上げといった処理の仕方も求められているということです。

このようなことから,本単元を構想しました。

大切にしたことは,「附属小の読書冊数」という実際のデータを用いながら学習していくこと,そして,子どもたちが自分なりの目的をもって数の処理の仕方を考えていくことです。

それでは,どのようにして単元が進んでいったのか,報告していきたいと思います。

第1時では,読書に関する2つの新聞記事の紹介をしました。

新聞記事を見せると,子どもたちは早速,見出しの「1億円」に目が向きます。他にも,記事の中にある数に注目する姿があったので,「新聞記事の数見つけをしていこう。」と呼びかけました。

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T:じゃあ,見つけた数教えてください。

しんたろう:19万

こうた:1万5千点以上

しょうた:250万

ゆうた:80代の80。

としき:5年前

T:こっちは?

あつと:1億円

としき:2024年

ひろと:21日

てつた:約460平方メートル

みさき:81才

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このようにして,数見つけをした後,「いろいろな数の中に,80代とか81才ってあったけど,それって正確な数?だいたいの数?」と問いました。このことをきっかけに「だいたいの数がどれなのか。」を探していきます。

その中で次のようなやり取りがありました。

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しゅうた:1億円

ふみや:うーん。わからん。

T:わからんの,教えて。

ふみや:2600万円

みさき:それだいたいと思う。

りさ:ぴったりなわけない。

よしと:ぴったりの方がよくない?

ふみや:表し方はぴったりだけど。

T:あいなさんも分からないのがあったね。

あいな:1億円ってだいたいなのかな?

みさき:目標だから,だいたいじゃない?

はる:2600万円の前に,「予算案」て書いてある。「案」だから,正確に使うわけじゃないから,だいたいじゃないかな。

みさき:賛成。

T:賛成?(ほかの子もうなずく)

あいな:でもさあ。他のやつは,約とか前後とか書いてあったけど,1億円はなくない?

だいき:面倒くさかったんじゃない?

C:いやいやいやいや。目標だから。

T:目標だからどうなの?

みさき:目標だから,ぴったりを目指しているわけじゃない。

あいな:でもそしたら,約1億円ってすればいいじゃん。

りさ:1億円は,目標ってあって、超えるか超えないか分からないから,ぴったりってわけじゃない。

みさき:1億円を目標に活動している。1億円に近い数を求めている。だから,そう書いている。

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子どもたちの中には,「約」「およそ」があるものが,「概数」だと捉えている子がいたようです。さらに,子どもたちの様子を見取っていく中で,りささんが1億円という概数について,ある予想をしてたので,取り上げました。

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T:そういえば,この1億円っていうがい数について,なつこさんはどんな数だって思ったんだっけ?

なつこ:最低の数まで集めます。ってことだから,最低の数じゃないかなって。

T:気持ちわかる?

C:(目標の)最小を出している。

みさき:最大じゃないの?

あいな:わたしなら,最大かな。少し,大きく伝えて,がんばりましょうみたいな。

C:いや最低じゃない?

C:最大の目標。

C:いや,真ん中ぐらい。

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このように,概数で表されているものが,どのような目的で,どのように表されているのか子どもたち同士の考えでずれていることが明らかになってきました。概数について学んでいく中で,明らかにしていこうと伝え,熊本市の「第四次熊本市子ども読書活動推進計画」を基にして熊本市の小学校の3か月の図書の貸し出し冊数とと附属小の貸し出し冊数について紹介しました。

資料を見せると,子どもたちは,附属小では貸し出し冊数が少ないことに驚き,あいなさんの「新聞を作って伝えたい。」の言葉をきっかけに,チラシや新聞にしたいという声が出てきました。

その後,どのようなチラシや新聞にするか考えていく中で,概数に関する発言も出てきました。

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やまと:概数だと分かりづらくなる。

りさ:いや,分かりやすいんじゃない?

はる :1年生とか,大きい数分からないし,がい数じゃない方がいい。

だいき:でも6年生なら習っているからわかるよ。

みさき:学年によって分けて作ったらいいんじゃない?

T:なるほど。

あいり:高学年と低学年向け。

はる:高学年はいそがしいから…。

T:1年生に伝えるなら,どんな数なら分かるのかなぁ。

T:じゃあ,いろいろな学年に作っていって,概数にするといいときと,しない方がいいときを考えながら,チラシや新聞を作っていくでいいですか?

C:はい。

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このようにして,単元の最初の1時間を終えました。

2時間目は,概数に実際に表していく中で,そのよさを捉えられるようにしていきたいと思います。

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