がい数を使って伝えよう~ミニ新聞で読書冊数向上プロジェクト~②
公開日: 2023年7月2日日曜日
「概数」の単元の第2時です。
授業の始めに,子どもたちが,「もっとデータがないと現状が分からない」という声が挙がっていたので,令和4年度の読書冊数をはじめに提示しました。すると,自分たちの経験に基づいて,それぞれの学年の読書冊数の現状について話し始めました。
子どもたちの意見としては,低学年は,担任の先生が図書館に連れていくことが多い,絵本をよく読むからたくさん本を借りている。反対に高学年は委員会や受験でいそがしい,小説をよく読むために,本をあまり借りることができない。
ということでした。改めて現状を把握し,算数日記に書いてあった,「伝える学年によって表す数を変えた方がよい」という考えや,「概数に表した方が1年生も見やすく分かりやすい」という考えを,紹介してもらいました。
このことから,「概数にすると見やすいのか?」と課題を立ち上げ,昨年度の全校の読書冊数(31526冊)を概数にしていくことにしました。
子どもたちからいくつも考えが出される中,31000と32000を中心に,子どもたちは話し合っていきました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
T:この概数は,そもそもダメなんじゃないの?っていうのある?
みさき:31000。
C:俺も。
C:いや,いいんじゃない?
みさき:500がなくなっていて,もとの数と離れている。
よしと:離れすぎている。
はる:確かに。
よしと:でも1年生なら,ぴったりの方がいいんじゃない?
T:離れているっていうイメージわく?わく人?わかない人?
ゆうた:分からない。
よしと:31526から見ると,31000は500とか,1000とか離れているから違いすぎるということ。
ゆうた:(首をかしげる。)もう一回いって。
よしと:もとの数の31526から,31000は数が違いすぎる。1500とか,500とか離れている。
なつこ:31526に比べたら,間が空きすぎているから,だめなんじゃないかな?
T:間見える?
はる:なんか遠い。
よしと:30000は,なんか離れている。
T:遠いのイメージわくかな?数直線をもってきたよ。
ゆうた:あ~。それでわく。
T:ゆうたくん納得?
ゆうた:はい。
T:他にこの概数はよくないっていうのはある?
なつこ:32000
C:え?なんで?
なつこ:32000だともともとの数から上に上がっている。言葉で約とかおよそとかだったら,言葉でかわって前後になるから,もともとの数が分かりにくいんじゃないかな。
るな,りさ:なつこさんに賛成。
てつや,ゆうた:反対。それだったら…。
るな:さっきも出たように,離れすぎているっていうか,526だけで見たときに,550が半分だから,半分より大きくて,離れすぎている。50より大きい数じゃないから,離れすぎている。35666なら分かるけど,50より大きい数だから,間が大きすぎる。
ゆうた:それだったら,てつや(約30000)のもだめなんじゃない?
みさき:526で見たら,500が半分だから,半分をこえているから,いいんじゃないかな?
T:ごめん。半分ってどういうこと?だれかおしえてもらっていいい?
だいき:半分でいうのは1000の半分。その500。
みさき:1000の半分は500。526は半分より上。だから,31000より32000に近い。ってこと。
T:あ~。なるほど。ちょっと,前にきて説明して。
みさき:500より526ってのは,半分の500より26こ上ってこと。だから,31000より32000に近い。
こうた:これは31526だから,32000は,32000側の方が,74大きくなるけど,31000の方より近くなる。
T:じゃあ,32000はOKなんだ。他に,これはOKってやつある?
りょうた:31000。
こうた:確かにあってもいいと思う。
よしと:OKなの?1000の半分の500より離れている…。
はる:1年生には,分かりやすいよ。
りさ:だよね。
C:30000がありなら,31000もいい。
T:30000もありだと思う人?なしだと思う人?(それぞれ意見がばらける)
T:なるほど。時間がないから,次の時間考えてみよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
子どもたちは「近い」「離れている」と,もともとの数と比較しながら,概数の表し方について考察していきました。
発言の中にあるように「1年生なら…」と相手を意識しながら概数にする姿も見られました。また,31000のような「切り捨て」という処理の仕方も出てきました。一方で「四捨五入」という数の処理の仕方まで確認することができませんでした。
教科書では,2つの数(例えば1326と1832のような)を約何千という概数に表す中で,四捨五入の考え方を確認していきます。本時も,概数に表す数を2つにすることで,四捨五入の処理の仕方が明らかになったと考えます。
次時では,「位に着目するといいのではないか。」と算数日記に書いているみさきさんの考えから,数の処理の仕方を考察していきます。
0 件のコメント :
コメントを投稿