じゃんけんゲームをプロデュース!1時間目
公開日: 2025年12月1日月曜日
今回は、じゃんけんゲームをプロデュース!の1時間目を紹介します。
この時間目は、じゃんけんゲーム開発の見通しを立てていきます。その中で、開発したじゃんけんをどの学年に伝えるか、相手意識を明確にしていきます。その上で、まずはじゃんけんゲームを開発してみることで、じゃんけんの出し手や組み合わせのパターンなど様々な視点を生み出していくことを考えました。
まずは、毎朝行っているじゃんけんの瞬間を想起して、じゃんけんそのものの目的意識について確認をしていきました。
T「朝の会の時にどうしてじゃんけんをするのかな?」
C「朝からやることで、元気になります」
T「だから、頑張ろうっていう気持ちになるわけね」
C「はい、逆に負けたら悲しい気持ちになります」
C「目覚ましじゃんけんみたいな感じじゃないんですか?」
C「そう、朝からやると今日の運勢が決まる感じがします」
C「勝ったら嬉しい気持ちにもなるよね」
ここで、思わずじゃんけんを始めてしまうペアを見つけました。その子たちは、両手でじゃんけんを行っていました。その姿を全員で共有していきました。
そのペアが、両手でじゃんけんを始めたのを見てルールを確認した後に、他の子たちもじゃんけんを始める姿がありました。両手じゃんけんとは、それぞれの手でグーチョキパーを出すことで、同時に2回じゃんけんを行うことができます。それぞれの手の勝敗で、全体の勝ち負けを決めていました。そして、全員で、その両手じゃんけんを行っていきました。
こうすることで、「普通のじゃんけんではないじゃんけんもできる」という見通しをもった上で、他のじゃんけんはないか子どもたちに問うていきました。
次に出てきたじゃんけんは、「じゃんけんぽいぽい」です。これは、グーチョキパーの中から2つ手を選んで、じゃんけんの前に相手に示します。そしてその中から1つだけ手をまた選んで、同時に出すことで勝敗を決めるものです。これはよくあるじゃんけんのパターンなのではないかと思います。
この後でできたじゃんけんとしては、「カレーライス」というものが出てきました。これはカレーライスと言う呼びかけのもと、じゃんけんを行います。その中で同じ手(じゃんけんにおける相子の状態)になった瞬間に、「水」と先に言ったほうが勝ちになります。これは、じゃんけんの中でも同じ手になった時を考えるという面白さがあります。
ここで、子どもたちとじゃんけんゲームをプロデュース!という単元の課題を共有しました。この時、子どもたちから「tsugawa gamesだ!」と言う声も聞こえてきました。これは、1つ前のブログでも紹介した5年生の時に学習を行った「オリジナルトランプゲームを開発しよう!」の単元の時を想起した発言でした。この言葉を拾うことで、算数の学習の中でゲームを開発していくというこれまでの学習経験とつなぎ、子どもたちと単元のイメージを共有していきました。その上でここから、それぞれの班で開発したじゃんけんゲームを伝える相手を決めていきました。
T「どう?じゃんけんやってみて嬉しくなりましたか?」
C「負けたら悲しいけど、勝ったら嬉しい」
T「では、それぞれの班でどの学年にじゃんけんを伝えるかまずは決めましょう」
〜それぞれの班において〜
C「じゃんけんどうする?」
T「何年生がいいの?」
C「4がいいかなあ」
この場面の子どもたちの話し合いを聞いている限り、あまり意図は感じられませんでした。
ここからそれぞれの班が、自分が伝えたい学年を設定した上で、じゃんけんゲーム開発に取り組んでいきました。
上の写真のように、出した指の本数によって行うじゃんけんを開発している販もありました。
上の写真の班では、カードを使ったじゃんけんができないか考えていました。そこで、私自身が持っていたカードを渡すことで、ゲームの開発をさらに行い始める姿が見られました。
また、下の写真のようにじゃんけんに4手目が増えたらどうなるのかを考えている班もありました。ここでは、四角形の図のようなものを用いながら、じゃんけんの方法について考えている様子も見られました。しかし、何を勝ち負けするのか迷っている様子もありました。
他の班ではどのようなじゃんけんがあるのかわからず、困っている様子もあったので、一度ここで全体で共有する時間を取りました。ここでは、じゃんけんをする人数や、どういうじゃんけんのアイディアが出たか共有することで、この後の時間に他の班にとっても開発をするためのヒントを出し合うことができるようにしました。
そうすることで、この後の時間では、より複数のじゃんけんがそれぞれの班で開発されていく様子が見られました。例えば、じゃんけんがもともと2から4人で行うものと子どもたちは考えていたのですが、班同士を超えたじゃんけんを行うことで、チーム戦におけるじゃんけんができるという見方が広がっていきました。
この時間の算数図日記は以下の通りです。
上の振り返りは、最初に指を使ってじゃんけんをしていた班の子の振り返りです。このように出した手において、引き算等の演算を加えることで、ゲーム性をもたせていました。先ほど紹介したカードを用いたじゃんけんゲームを開発している班のアイディアを受けて、神経衰弱のようなじゃんけんゲームを開発している班もありました。 団体戦のようなじゃんけんゲームを考えている班もありました。この班では、他の班にじゃんけんをしに行く様子を私自身が見取り、それなら全員でやってみればというふうに提案をしたところ、「チームワーク戦」と名付けられたじゃんけんが生まれていました。ここの班ではどのような順番で並ぶかをじゃんけんで考えていて、毎回じゃんけんの順番が変わる様子が見られていたので、次の時間の並び方で扱うじゃんけんとして取り上げようと考えました。
これはカードゲームじゃんけんを開発した班の子どもの振り返りです。このじゃんけんカードの並び方から順列の学習を行うにも面白いと思いました。しかし、ここがじゃんけんの事象を取り扱う件における懸念をすべき点なのですが、じゃんけんは出してが3つしかないと言うこともあり、並びと考えると、3つの並び方とパターンが少なくなってしまいます。そうなると、樹形図のような考え方を用いる必要性も薄くなるのかと考えました。
これは、じゃんけんに4手目を加えた場合の勝ち負けを考えようとしている振り返りです。しかし、同じ反応子で下のような振り返りを書いていると思います。
このようなことから、まだジャンケンとして成立するには、ルールとして確立していないようにも感じています。
最後に、じゃんけんの勝率を考えている子どももいました。この勝率を考えるときに、じゃんけんを出してのパターンなどを考える必要性も出てきます。そのパターンの大複雑さな自分たちの反応、相手の相手、意識にも関わってくると感じています。
次の時間は、先程の振り返りで取り上げた「チームワーク戦」における子どもたちの並び方に着目しながら学習を進めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました
算数科 津川 郷兵
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