数の世界を広げよう(数と計算の探究)「99個のリンゴゲームをプロデュース!」3時間目
公開日:
2026年2月8日日曜日
算数科の津川です。
この時間では、「99個のリンゴゲーム」に乗法と除法を導入することで、小数や分数のリンゴカードの可能性を見いだすことができる姿をねらいました。
まず初めに、それぞれのカードが何を表していたのかを確認していきました。
「3」というカードは「リンゴが3個分であること」これをリンゴカード(数カード)と名付けました。
ひき算は、「リンゴを食べる」というイメージで、前の時間に演算カードと名付けています。このように、演算カードが出てきたことで他のカード区別され、元々あったカードに「リンゴカード」と名前をつけることが可能になりました。
これらのカードを確認した後に、前時の振り返りを一人の子に紹介してもらいました。
C「今日はリンゴゲームにマイナスの要素を取り入れてみました。マイナスを入れることで、98になってもそのカードを使えば回避することができることがわかりました。これからはかけるや割るなどの要素を入れてみても面白いと思いました」
T「最後なんて言っていたかわかる?」
CC「かけるとか割るって言っていました」
C「それだと強すぎるんじゃ」
C「96÷6だとすると、16になってちっちゃすぎて」
C「割れない数も出てくるかも」
T「かけ算、割り算になったら、できるようになること増えそう?」
ここで1度、自分たちの山札の中にかけ算カードや割り算カードを入れてみることで、どのようなことが起こるか試す時間を取りました。


上の写真のように、子どもたちは、実際にカードゲームをやってみる中で、様々な気付きを表出させていました。また、考えていることを目で見えるような形で共有できるようにするために、それぞれの班にホワイトボードを置いています。そうすることで子どもたちの考えを求めやすくすることができるため、研究発表会の本時においても1つの手だてとして活用しようと考えています。ここからは、1時間目から様子を追っている班のやりとりを紹介させていただきます。
C1「引き算の時みたいに、かけ算のカードを出した後の人がリンゴカードを出すから」
C2「引き算と一緒か」
C1「でもかけ算だから、60のときに2が出たら120になるよ」
C1「それに、×0が出たら、0になる」
ここで準備が終わり、ゲームを始めました。
48まで行ったところで…
C1「かける」
C3「終わったくない?」
C1「負けた?」
C3「こんなん負けちゃうよ」
ここで、ゲームを振り出しに戻してもう一度始めていました。
この班では、0の数も採用しているようです。また、手札の数も変えているようでした。
C1「×」
C3「1」
C1「意味ないよー」
C2「÷」
C1「0」
C1「ん?」
ここで、電卓を用いてみます。
C1「未定義ってなるんだ」
C2がその様子を不思議そうにみていました。
電卓で、何度か試してみる姿もありました。
この班では、それぞれの演算が出るたびに、ホワイトボードにこのような形でまとめていく姿がありました。かけ算カードと割り算カードを加えたことで、ゲームがさらに白熱するようになったそうです。また、÷0の存在にも気づき始めています。本時ではここの理由について迫っていくので、最終的に電卓でその答えを確かめていましたが、まずは定義されていないことを知っている状態でもいいのかなと思っています。(まだこの班の子たちには、このことについては詳しく触れさせていません)
T「できるようになったこと何かありしたか?」
C「リンゴカードを10までじゃなくて、15まで増やすともっと面白くなりそう」
C「かけ算が出てきて、自滅もできるようになった」
C「割り算カードで小数になった時は、四捨五入ができるといい。10分の1とか」
C「10分の1でいいのかなあ」
T「四捨五入以外の方法はあるのかな?」
C「全部切り上げとか切り捨てでいいんじゃない?」
T「例えば、0.333…ってなってしまった時は?」
C「3分の1」
C「分数」
T「四捨五入って何年生で学習したか覚えている?」
C「何年生だろ」
T「4年生だよ」
C「じゃあ3年生は難しいね」
ここで、小数や分数が割り算が出てくることによって出てきたことを共有しました。ただまだ、これは割り算における計算の結果でのみ出てきたことになります。リンゴカードにおける小数や分数を活用している班は1班だけしか見られませんでした。この後、それぞれの班が見つけたことを発表してもらいました。
C「かけ算だとすぐに98にたどり着きます」
C「すぐに98に辿り着いちゃうから、かけ算を入れるなら割り算も入れる必要があります」
C「÷5とかしていると、最初の方に何度も戻ってしまうので、なかなかゲームが進まなくなりました。そして山札がなくなってしまうということもありました」
T「山札がなくなったらどうしてたっけ?」
C「もう一回スタートに戻していました」
C「分数カードを作りました」
T「分数カードを作ったらどうなる?20÷2分の1だと?」
C「40になる」
C「分数を入れたら、逆に大きくなるよ」
C「45から×2を使うとすぐに90にいけて、でも×0になったらすぐに0に戻ってしまいます」
C「50以上の数の時に、前の人が×を出したら、その人が1を持っていない限り、負けてしまいます」
C「でも2分の1だったら、うまくいくよ」
C「他にも、合計÷0は不定義?」
(ここは、問い返しなどは行いませんでした)
・・・
T「どうかな?分数カードとか入れたくなった?」
C「うーん」
C「3分の2とかだったら…」
分数カードについては山札の中に入れるのはまだ躊躇している班もありました。
ここから算数図日記をまとめる時間に入っていきました。
いくつかを紹介します。
徐々にゲームに取り組む中で、班で考えているルールを理解しているいくような姿もあります。割り算を使ったことによって生じたことから、かけ算のカードの枚数を変更していきたいという思いをもっているようです。
足し算だけでは生じなかったゲームが続く面白さに、引き算や割り算のカードが出てきたことで気付く振り返りもあります。また、学年に合わせてどうカードの中身を考えていくか、思考する姿もあります。さらに、ここで四則演算が揃ったことから、リンゴカードの数の大きさに合わせて出す順番が異なることにも気付いているようです。
分数カードのよさにも着目し始めている子もいます。しかし、計算のしやすさから分数自体を難しくする必要は無いと考えているようです。
分数カードが出てきた後のよさについては、まだ全体で出てきたばかりで、子どもたちのそれぞれの班では試す事はしていません。ですので、どのようなよさがあるのかまだ調べてみたいと考えている子もいます。
このゲームの中における強いカードに着目し始めている子もいます。この時間までに様々なカードを作ってきましたが、それぞれのカードが同じものとしてではなく、それぞれの演算や数の意味に立ち止まるきっかけとなる言葉なのではないかなと思っています。この子はかけ算と1が強いカードとしています。この話題から次の時間を始めることで、1の存在や0の存在、また小数や分数の存在へと意識を向けていこうと思っています。
また、「スキップカード」と表現していますが、このスキップという意味を数を用いて表現することで、加法・減法のときの0、乗法・除法のときの1と役割が異なることに気付いていく1時間になればと思っています。
そして、除法のときの0に着目する研究発表会本時に迫っていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
算数科 津川
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