図を使って倍の見方を広げよう～小数のかけ算 第１時～
公開日： 2024年1月27日土曜日
こんにちは。
本校２年目、算数科の内田です。
２４日の水曜日から、研究発表会（２月１０日）の単元「小数のかけ算とわり算」に入りました。研究発表会では、３つある小単元「小数のかけ算」「小数のわり算」「小数の倍」のうち、最後の小単元「小数の倍」をします。その中でも実践として、あまり（論文や指導案を）見ることの少ない「整数÷整数＝純小数倍」になる場面を扱います。
この小単元では、子どもたちが倍の意味を拡張していくこと、つまり整数の倍の見方が、小数の倍の見方でも使えることに気付くことが必要です。
そのためには、小単元「小数のかけ算」「小数のわり算」において、小数を「０．１のいくつ分で捉えること」と「図を用いて立式したり、説明したりすること」が重要だと考えました。
学級の実態から、小数を整数になおすために「０．１のいくつ分で捉えること」は、工夫をしなくても子どもたちから自然に出てくると考えました。しかし、必要感をもって「図を用いて立式すること」は、問題場面や発問を工夫しなければ出てこない姿だと考え、その手立てを考えながら授業を進めていきました。
まずは、小数のかけ算の第１時における子どもたちの姿をお伝えします。
第１時
第１時では、次のような場面を提示しました。
始めは「一気に飲める。」「サイズがちょうどいい。」などの意見でしたが、少しずつ「かさ」に着目していきます。
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しゅう：０．３Ｌのお茶は、全部で１．８Ｌで、他よりも少ないけれど、ちょく
ちょく飲めていいと思うから０．３Ｌを６本買う。
まさと：ぼくも同じで、０．３Ｌ×６＝１．８Ｌじゃないですか？だから、高級
だと思うから、これにする。
Ｔ ：なるほど。「かさ」って視点で見たんだね。他のかさは？
Ｃ ：１Ｌのやつは、１Ｌ×２＝２Ｌ。
Ｃ ：５００ｍＬは、５００×４＝２０００ｍＬ
Ｔ ：確かに、１．８Ｌが一番少ないね。でも、これまで、こんな（０．３×
６のような）計算したことあったっけ？
Ｃa ：いや、ない。
Ｔ ：でも、小数×整数、０．３×６ってしていいの？
Ｃ ：たしかに。あ、でも…。
いいですよ、だって…。
Ｔ ：なんだか、頭をひねっている人がたくさんいるね。ちょっと考えてみよ
うか。
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このようにして、小数×整数をしてよい理由を考えていきました。問題場面の中に、整数×整数になる事象も同時に提示することで、既習との違いとこれまでのかけ算との共通点を見出して解決していきました。
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はるこ：０．３が６こあるってことだからいいと思う。
ふみや：図にかいて、０．１が１０こで１。０．１が８こで０．８。たして
１．８Ｌ。だからあっていると思う。
あいか：整数の時は、何が何個分って考えたじゃないですか。０．３Ｌも、
０．３Ｌが６こってことで同じように考えられるから、かけ算して
いいと思います。
てつや：ん？よくわからん。
はるこ：そもそも「～が何個ある」っていうのがかけ算でしょ？１つ分×い
くつ分みたいな。やり方がいっしょだからだよ。
てつや：う～ん。わからん。
Ｔ ：なんだか、言葉の説明だけじゃまだ伝わらないみたいだね。
しゅう：たし算にするとわかるんじゃない？
ういか：私はたし算だと、０．３＋０．３＋０．３…＋０．３＝１．８Ｌ。
図だとこうなる。
ゆいか：１Ｌだと１＋１＝２
たかし：５００ｍＬは、５００＋５００＋５００＋５００＝２０００ｍＬ
あらた：１Ｌのやつの図はこうなって、５００ｍＬのやつはこうなる。
てつや：あ～わかった。たし算でわかった。
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このようにして、子どもたちは、整数×整数と小数×整数の共通点を、言葉や図、たし算の式で表していきました。テープ図のような表現も期待していたのですが、「いくつ分」を捉える具体的な方法として、板書の写真にあるような図をかいていったようです。
算数日記には、かけ算の便利さや整数と小数をつなげた考えが分かりやすかった、もっと他の場面でもかけ算で解決してみたい。などが書いてありました。
第２時でも、問題場面を少し工夫して提示しようと思います。
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