図を使って倍の見方を広げよう~小数のわり算①~

公開日: 2024年1月30日火曜日

 今回から、小単元「小数のわり算」における子どもたちの様子をお伝えします。

前時の第4時では、1.25×36という式について筆算や図で解決していきました。その中で、第3時では、「分かりやすい」とされていてた丸図だと、図に表すことが面倒なこと、線分図(みたいな図)だと丸図よりも簡単に表すことができ、式を立てやすいことについての気付きが出ました。その後、15分程度、筆算を使って小数のかけ算を習熟する時間をとりました。

それでは、第5時の授業についてです。
多くの教科書では、小数のわり算での最初の問題は
「3.6Lを3人で等分すると1人分は何Lですか。」のようになっています。
この問題のよさは、LをdLに直す考え方と、0.1Lのいくつ分を用いる考え方の共通点を明らかにし、「整数で考えること」に気付かせるねらいがあると考えます。
しかし、本学級の子どもたちの「小数のかけ算」での学びの姿から、あまり困ることなく整数に直すという考え方を用いることができると思いました。
そこで本時では、次のような問題を出しました。

「3mで3.6kgの鉄のパイプがあります。1mの重さは何kgですか。」

この問題で大切にしたのは、
①「分ける」という言葉を使わないこと
②長さの問題場面にしたことです。

これにより、「なぜわり算だと思ったの?」と子どもに尋ねたときに、子どもが分かりやすく伝えようと図(特に線分図やテープ図)を用いて考えることを期待しました。
この問題を提示すると、子どもたちは次のようなことを話しました。
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(問題を提示する)
きりと:あ~、わり算かな…?
ひでこ:わり算じゃない?だって…。
ゆうた:え?わり算??
T  :これ、わり算なの?
C  :はい!
T  :どうして、「分ける」って書いてないのに、わり算だと思ったの?
    隣の人と言葉や図で説明し合ってみて。
T  :うまく説明できる?
こうた:1mの長さを求めるから、3mで3.6kgで1mの重さを求める
    から…。
C  :小さくなるもんね。
こうた:だからわり算。
ひでこ:3mで3.6kgの中の1mを求めるから
C  :んー?
ゆうた:図でかいたら…。
T  :図で書いてみたらって言っているけれど?
きりと:テープ図!
T  :じゃあ、図をかいてみようか。
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このあと、しゅうさんが黒板に提示しておいたテープを用いて図をかいていきました。(「第5時の板書」左下)子どもたちの姿から、テープを掲示することが「図を用いて説明したらどうか」という発言につながっていったと考えます。
この後、子どもたちと本時で目指すことを確認し、それぞれが解決方法を考えていきました。子どもたちから出された考えは下に示す通りです。
あや :0.1を36こかいて分ける。その後、3÷3、0.6÷3をする。(①)
こうた:3.6を3と0.6に分けて、3÷3、0.6÷3として考える。(②)
この2つの考えに対して、
私が「小数÷整数ってどうやって計算するの?」と問い、ひでこが発言しました。
ひでこ:3.6を10倍して、36÷3=12。12÷10=1.2。(③)
この考えにより、整数になおすことで考えられることを確かめました。
最後に、ふみやが自分の考えを発表しました。そこで、次のようなやりとりがありました。
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ふみや:ぼくは、あつとくんの図でやって…(線分図をかく)
    計算は、ひでこさんのようにしました。
たいし:え?それって考え方だけじゃない?
T  :ん?どういう意味?
たいし:それは、図をかいても結局は計算しないといけないから…。
ゆうた:でも図をかいた方が分かりやすい。
ふみや:計算はしないといけないけど、図をかいたら分かりやすい。
T  :たいしさんの気持ちわかる?たいしさんは、あやさんの図のときは
    そんなこと言わなかったよね?あやさんの図とふみやさんの図って、
    それぞれ役割があるのかな?
C  :あやさんのは丸図で、0.1のいくつ分がわかる。
C  :答えが分かるんじゃない?
T  :なるほど。答えがわかるんだ。こうやって3つにわけていくとね。
    ふみやさんの図は?
せいは:ふみやさんのは、式をイメージする、式を考えるための図ってこと。
きりと:でも、それってどうやって答え求めるの?
T  :あ、このふみやさんの図だと答えは分からないのね。
ひでこ:(ふみやさんの図は)状況整理の図。
たいし:式を立てたりするために。
第5時の板書


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様々な方法で解決していく中で、「小数を整数になおすこと」、「図には答えを求めるためにかく場合と式を立てるためにかく場合があること」が明らかになりました。
本時で明らかにしたことが小数のわり算の学習や、その後の小数の倍での立式につながっていくといいなと思います。
次の第6・7時は、筆算の仕方を確認し、小数のわり算の計算を習熟する時間にしていきたいと思います。
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