数の世界を広げよう(数と計算の探究)「99個のリンゴゲームをプロデュース!」4時間目(研究発表会前時)

公開日: 2026年2月11日水曜日

 算数科の津川です。

 この時間では、「99個のリンゴゲーム」の中での強いカードを考えることで、加法や減法における0の役割と、乗法や除法における1の役割に気づき、それぞれの数を多面的に見ることで、加法と減法、乗法と除法の演算の関係を見出すことをねらいにしました。子どもたちは、これまでにアレイ図で表したり、数直線で表したり、意味付けしたり、具体的な数で考えたりする考え方をこの単元で行ってきています。この時間では、乗法と除法を行き来しながら、数の意味の理解を図ろうと考えました。本来ならば、⬜︎を使った式で表すことでより一般的に表現することができるようになり、本時の証明とつなげていきたいなと思ったのですが、その姿を引き出すことができなかったため、これは研究発表会の本時の中で新たに手立てとして考えていきたいなと思っています。


 まずは、振り返りの共有から行っていきました。最初に強いカードがあると見出している子に振り返りを読んでもらいました。

C「新しくカードを追加するなら、スキップカードで98とか−とか÷や×を持っていない時に、スキップできるカードを入れたほうがいいと思いました。強いカードだと思うのは×と1だと思います」

T「今何が聞こえましたか?」

C「スキップ」

C「1」

T「1のカードは今なんて言いましたか?」

C「強いカード」

T「1と他に何と言いましたか?」

C「0と言いました」

T「強いってなんだろうね」

C「自分が負けない数」

C「97のときに強い数」


子どもたちと「強い」のイメージを共有するために、強いカードとは何かを問うて、近くの人と話す時間を取りました。こうすることで、この時間に立てたい課題のイメージを焦点化することをねらいました。

C「調整がしやすいもの」

C「49があったときに、×を出せばいい」

C「確かにそこで3が出たらすぐに終わる」

C「0が強いかも」

T「0?」

C「97×0が出たら、0に戻ってしまう」

 ここで、「リンゴゲームの強いカードってなんだろう?」と課題を設定し、それぞれの班に戻しました。

 これからは、班の活動の様子を紹介します。

C3「0と1が強い」

C1「いや、なんだろうなあ」

C3「小さいカードが強いよ」

C1「結論、0、1…」

C2「計算カードが強い?」

C3「いや、割り算カードじゃない?」

C4「でも、割れない数が出てきてしまうよ」

C2「計算が難しい?でも、そのまま小数で表すことになってるよ。だから大丈夫!」

C2「今回は、かけ算と割り算を増やしてチャレンジしてみよう」

ここから、ゲームが始まっていきました。


 このような感じで、子どもたちはホワイトボードに強いカードをまとめています。
ゲームの様子を詳しく紹介したいと思います。子どもたちが言っている数は基本的に足し算した後の答えになっています。

C2「はい9」

C1「11」

C1「早く50以上にならないかな」

C2「29」

C2「36だね」

C1「43」

C3「47?」

C1「ひく2?」

C4「(山札からカードを)ひいてなかった」

C2「絶対手札は4枚だからね」

C4「強いカード出すよ、9」

C3「×」

C1「(C2に対して)大丈夫?負けるよ。1か0を出さないと」

C2「えー…」

C1「演算カードを重ねることはできるかも」

この班では、演算カードの上に演算カードを上書きするというルールを設定しようとしているようです。

C2「同じ記号じゃないならいいんだよね」

CC「ん〜」

C1「とりあえず、演算のカードが多くなっているね」

C4「(手札から)3」

C1「54になったね」

C2「62」

C3「78」

 ここで割るカードを出して循環小数が出てきたため、四捨五入をして整数に直す姿がありました。

C2「25」

C1「32」

C4「42」

C3「53」

C2「60」

C1「65」

C4「75」

C1「(C3に向けて)大丈夫かな?」

C4「これで勝てるかな?」

また、×カードを出されたようです。他のメンバーは勝ちを確信していました。

C3「0」

C1「あ〜戻った」

C4「9」

C2「じゃあ、いったんかけよう」

C1「72」

C1「ひく0をするよ」

C3「たす12」

・・・

C1「おっ91まで来たよ」

C4「7がいいのか」

C2「98–91だね」

C2「×」

C3「これは終わったでしょ」

またまた0となり、ここで最初から始めます。

C1「7」

C2「6、13になる」

C3「かける」

C4「6」

C2「できるだけ大きな数を出さないと」

C1「山札がなくなってしまうよ」

C3「3」

C4「2」

C2「÷」

C1「0」

C1「÷0どうしようか、未定義なんだけど」

C2「ゲームが終わらないよ…」

C1「一度0にしよう」

 ここあたりで、時間が来てしまいます。それぞれの班で見出した「強いカード」を全体で共有する時間にしていきました。

1を強いカードとしている班も多く見られたので、1からそのよさを共有していきました。

C「1は1個しか進まないから強い」

C1「×1でも÷1でも変わりません」

T「例えばでなんか言えるかな?」

C2「98× 1をしても、÷1をしても変わらないよね」

T「次困るのは誰?」

C「その次の人が困ります」

C「それでまた÷1を出したら…」

T「1人飛ばすということだよね。これ何カードと言えるの?」

C「スキップカード」

T「2班で、他の班にないカードを出してたんだけど、何かわかる?」

C「なんだろう」

C「文字かな?」

C「分数じゃない?」

C「あー」

C「それだったら小数もできるよ」


T「4分の3カードが強くなるときっていつなんだろうね」

C「100だったら、75?」

C「100はダメだし…」

C「÷にして、×3分の4で考えるといいかも」

C「98の時に、×4分の3があれば、負けを回避できるよ」

C「÷カードと同じになるよ」

C「こんな状況ないと思うけれど、72の時に誰かが÷を出して、次の人が4分の3を出すと92になるよ」

C「へーそうなるんだ」

ここで分数の割り算の計算の仕方について確認をしました。

C「分数で割ったら逆に増えてしまうね」

 このように、かけ算と割り算を行き来しながら、小数と分数を用いれば、同じ意味にすることができることを確認していきました。

 次に0を聞きました。0を強いと思っている人は、とても多くなりました。

 しかし、0を共有すると×と÷の話が出てくると考え、その前に他の強いカードはもうないかもう一度全体に問いました。

すると、かけ算カードが出てきました。

C「49以上になったら、かけ算カードが出ると1以外、勝つ可能性が大きくなります」

C「1からすぐ98に行ける方法はないかな?」

C「2ターンあればいける」

C「いや、3ターンかな?」

C「7×7×2でいけます」

C「これって、10よりカードが小さければいいから、÷と98分の1カードを入れればいいんじゃない?」

T「これはどう?」

C「いやあ、入れたくないかも…」

C「さすがに強すぎ」

 ゲームのルールをわざと10個以下のリンゴと決めていたことで、割り算のよさが出てくるのではないかと考えていました。今回のように、1より小さい割り算を適用することで、10個という制限関係なしに98までアプローチすることができることを見出している班もありました。


最後に、0について子どもたちに問うていきました。

C「たし算や引き算の時に飛ばすことができる」

C「数がそのままになります」

C「スキップになります」

C「かけるカードと割るカードのときは0になります」

C「ん?0になるか?」

C「無限になるんじゃない?」

 0で割ることについて多くの子どもたちが、曖昧な反応を示しているように感じました。この時間ではあまり深く考えさせることなく一度ここで振り返りにまとめる時間にしました。


この時間の振り返りのいくつかを紹介します。

 途中の班で紹介したC2の子の振り返りです。途中で分数のアイディアが出てきたときに、こちらの%(小数)が使えるのではないかという話をしていました。このように小数と分数を行き来しながらカードを開発する姿も素敵だなと思っています。



 この時間で、話題に上がった足し算や引き算における0、かけ算や割り算をにおける1とかけたら0に戻ってしまう0の意味について振り返っている様子もありました。後半の「0」が好きでしたの表現が素敵だなと思っています。


 この振り返りを書いた子は、授業の冒頭に振り返る読んでくれたこの振り返りになります。最初振り返りを最初に読んでくれた時点では、1とかけ算が1番強いと言っていましたが、この1時間を通して0の数の魅力に触れることができたようです。


 最後に、かけ算や割り算における0について話題に触れている子もいます。この話題を発端に、研究発表会の本時ではこの場合の答えをどうすればいいかわからない子もたくさんいると思いますので、課題の立ち上げとつなげていこうと思っています。

 途中で話題に触れた98分の1など、10より小さい数の中で1より小さい数に着目している姿も出てきています。その視点でいうと、0は極限まで小さくしていった姿ではないかなと思っています。したがって、今回の÷98については0で割ることを考える手がかりになるのではないかなと考えているところです。

6年間子どもたちが算数の学習で学んできたこと、この単元の中で働かせてきた見方や考え方を十分に働かせ合う1時間になればなと思っています。本番がたのしみです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

算数科 津川










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