文字式で表すことのよさについて(令和6年度研究発表会に向けて②)

公開日: 2025年1月1日水曜日

 算数科の津川です。

まずは単元の主張についてまとめさせていただきます。

今回のブログにもありますが、文字式で表すことのよさへと着目させていきたいと考えています。文字式と言えば、変化と関係だと思われがちですが、現行の学習指導要領から「式を読むこと」が数と計算領域に位置付けられています。ですので、今回の実践に関しましては、数と計算領域に主眼を置いています。

以下、小学校学習指導要領解説 算数編 p247より

「第5学年では、⬜︎や△を用いた式に表し、式の中にある2つの数量の対応や変化の特徴について表などを用いて調べたり、二つの数量の関係を言葉の式で表したりする活動を十分に行い、関数の考えをのばすことをねらいとしている。」とあります。

また、関数の考えとは、同じく小学校学習指導要領解説 算数編 p35より

身の回りの事象の変化における数量間の関係を把握してそれを問題解決に生かすということがある。」とあります。


ここで、私は次のような願いをもちました。

・子ども自ら変化する二つの量に着目し、⬜︎や△などを用いた一般的な式で表すことのよさを感じてほしい

 記号を用いた式で表す際、ある事象から二つの量を表に整理し(二つの量はたいてい始めから与えられているパターンが多いように感じます。)、その表が完成した時に教師から「⬜︎や△を用いて表してみましょう」というような発問が行われています。そうなったときに、子どもたちにとって式で表させられているような状況になっていたように感じました。このような状況では、式で表すことのよさを実感することは難しいのではないかと感じました。

また、私自身も日々の授業をしていく中で、子どもたち自ら立式した式の意味について、立ち止まって考えようとする姿があまり多くないように感じています。今回のような一般的な式に表すことは式の意味を考えることについて非常に相性がいいようにも感じています。

そこで、まずはじっくりと変化するものに着目するまでの文脈を作り上げたいなと考えました。基本的に今回のような学習内容は、1単位時間で扱われることも多く、与えられた状況下で式化まで一度に進めていくようなイメージではないでしょうか。そこを図形領域の単元「角柱と円柱」の単元からつなげていく中で「式で表すと上手くいきそうかも」というような思いを引き出したいと考えています。

2つの領域、数と計算である「変わり方調べ」と図形領域である「角柱と円柱」を結びつける存在が「つまようじタワーを設計しよう!」です。

「つまようじタワー」とは、崇城大学様が毎年取り組まれている「つまようじタワー耐震コンテスト」に由来しています。このつまようじタワーについて、小学生版ができないかと考えました。


 写真はイメージになります。(自作してみました)実際の高校生や大学生が作っていたつまようじタワーに関しましては、本当に精巧に作られていたので、ぜひ「つまようじタワー耐震コンテスト」のHPをご覧ください。

 全体像として、子どもたちはそれぞれの班(4人班)で自分たちのオリジナルタワーを製作してしていきます。そのオリジナルタワーにつきましては、四角柱や五角柱と様々な形を想定しいています。ただ、それだと子どもたちの対話が交わり得なくなる可能性があるため、共通の土台として簡易モデルも一緒に作成していきます。簡易モデルは写真の一番左にあります、三角柱タワーで考えています。共通の土台と書きましたが、ここの部分が前回のブログで書きました、自他の数学的価値を見いだす部分と考えています。そして、その中で見いだした数学的価値を改めれそれぞれの班のオリジナルタワーにおいて発揮することで自覚化を図っていきます。

単元について

・角柱と円柱

 子どもたちはこの単元において、それぞれが作りたいつまようじタワーの1階層部分の設計図と実際に作り上げる活動を行います。

・変わり方調べ

 この時間において、「これからタワーを作り上げるぞ!」という動機のもと、「何階を目指そう?」「そもそも何本のつまようじが必要なのかな?」という思いや、「この形だと何階のタワーが安定するのかな」という困りごとをもたせていきます。その上で、式化へとつなげていきたいなと考えています。

次回は、単元の枠組みについてより詳しく書いていければと思います。

これからブログでまとている内容につきましては、私自身がまだ迷っている部分も含まれてきます。その葛藤も含めて一緒にたのしんでいただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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