重ねて 並べて(「どんな分数がつくれるかな?」に向けた図画工作科の学習)
公開日: 2026年2月12日木曜日
本校算数科の内田です。
今回は、第2学年「簡単な分数」へとつなげる、図画工作科の学習についてお伝えします。
まず、本実践で扱うのは「トランスパレント紙」というものです。
よく図画工作科で用いられるカラーセロファンよりも透明さはないものの、和紙のように光を通し、かつ折って切りやすい特徴があります。また、重ねた時に表と裏では見え方が変わってくるのも面白い点です。(この紙をOPP用紙にのりで貼りつけると、ステンドグラスのような作品ができます。※本来の使い方としては、OPP用紙に貼る必要はありませんが、OPP用紙に貼ることで、製作が楽になりますし、丈夫にもなります)
きっと子どもたちは、この材を与えたら、光に透かそうとするのでは?そして、正方形の形を並べたり、切って重ねたりする姿も出てくるのでは?と考えました。
ただ、子どもたちがそれぞれに創造的に鑑賞や造形活動をすることが教科として重要だと思うので、教師側から無理矢理焦点化するのではなく、子どもたちから出た作品や解決策を尊重しながら活動を進めていく必要があります。
それでは、どのような学習になったのか、紹介したいと思います。
子どもたちに、トランスパレント紙を見せると、早速、重ねたい!透かしてみたい!などの反応がありました。そこで、この紙を生かしてできる形や色を楽しもうと試しの活動に入りました。
それぞれの「たのしみ方」を価値付けながら活動を進め、最後に鑑賞の時間を取りました。主に4パターンの作品がでてきました。
切り紙風
並べる
四角形や三角形を重ねる自由な形づくり
子どもたちが一番反応したのは、四角形や三角形を重ねたものでした。子どもたちにとって抽象的な「新たな作品」だったからだと思います。
本時の板書
次の時間は、十分に鑑賞ができなかった作品を振り返り、その上で、透かした姿などを取り上げて、「サンキャッチャー作り」を提案しました。(その際、ステンドグラス!という発言もあったので、幾何学模様のステンドグラスも提示しました)「太陽の光をとるってことか!」などと言いながら、「やってみたい!」と反応が返ってきました。そして、その上で、試してみたい作品について聞いてみました。
子どもたちの反応として、「切り紙」「長方形の形」という声や、「でも、長方形のやつ、難しそう…」というつぶやきが聞こえてきました。この「作りたいけど、難しい」という困り事を取り上げ、「みんなはできそう?」と問うと、「いやぁ、難しそう…」「まあ、やってみよう!」という反応があったので、実際に試してみることにしました。
子どもは苦戦していましたが、周りの子と相談しながら、それぞれにコツを見付けて作っていきました。
できた作品を共有していく中で、コツを聞いてみると、「同じ色は遠目にするといい」という色に関するコツと「正確な形にするといい」という形に関するコツが出てきました。そして、「正確にするっていうのはどういうこと?」と問うと、「同じ形を作ってみる」「同じ大きさにしてみる」という反応がありました。
また、その後、悩んでいる さいりさんを取り上げました。
この作品をつくった さいりさんは、「間があいちゃった」と発言し、続けて、「しんたさんみたい(下の作品)にすればよかった!」と言っていました。この発言に対して、「同じ形をいくつもつくればできそうなんだね。」と返し、「図工は自由に発想して作ることが大事だから、続きの「同じ形づくり」は算数でやってみようか」と伝えました。このようにして、次の図工の学習までに、「同じ形づくり」を算数でしていくことになっていきました。
本時の板書
反省点として、子どもたちの作品がSさんのようなものが多くなってしまったなと思います。子どもたちの創造的な造形活動につながるよう、「困り事を解決する」という流れにしたつもりでしたが、さいりさんの作った作品もまた魅力的だったはずです。
授業の始めに、幾何学的な形を使った作品のよさが十分に伝わらないかもと思い、芸術作品を2つ提示したことで、同じ形をつくるという等分につながる作品が出てきたと思いますが、「よい作品」のイメージが固定化されてしまったように思います。
芸術作品の提示のタイミング(そもそも提示するのかも含めて)の検討が必要でした。
どちらの教科も生かされるような単元構成や材の在り方、その教科における重要な手立ての考察など、改めて教科の関連付けの難しさを感じました。
次は、分数の学習の第1時になります。「「サンキャッチャー作り」に向けて考えたい!」という思いをもちつつ、分数そのものの面白さも感じてほしいと思います。
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