附属小の周りってどんなところ? 算数第4時 表やグラフの「観点を変える」授業
公開日: 2026年7月30日木曜日
少し(?)時間が経ちましたが、今回は、いよいよ「観点を変える」授業の実践についてお伝えします。
1. 本時の構想
前時では、3つのコースを比べることの難しさがありました。表やグラフを横に見る2次元表のような見方は、やはり2年生には難しいのかもしれません。だからこそ、観点を変えてシンプルに表すことが重要になってきます。
これは、前時であまり話題にならなかった上熊本コースに多く、子どもにとっても、そのコースの特徴を捉え直すという点で考える価値があること、かつ、3つの町の比較を簡単にすることにもつながります。
また、授業の展開もより広い問い方から始め、焦点化することにしました。構想の段階では、「分かりやすい表やグラフ」→「(それの比較から)誰にでも分かりやすくする」というような展開でした。ただ、この問い方を反対にすることで、表やグラフに限らずに様々なアイディアが出せること、それらのアイディアを比較検討することで「分かりやすさ」が話題にできることが期待できると考えました。
そこで、導入では、「他のコースも調べたい」と考えた、みゆきさんの算数絵日記を紹介し、特に話題にあまりなっていない「上熊本コース」で一番多い「食べる店」に焦点化していきました。その上で、もう1人、ものを売る店について考えたけど、「何が何個あるか、分からなかった。」と書いていた、ともみさんの絵日記も取り上げ、探検に行っていない在校生たちには、「食べる店が一番多いこと」がより伝わらないのではないかと問いかけ、「食べる店が上熊本コースに一番多いことが伝わる」ことを目的に、表し方を工夫することをめあてにしました。
各チームでの活動に入る前に、「伝わる」とはどういう状態になったらよいのか、と子どもたちに問いました。それにより、子どもたちは「あ~」「なるほど!」などの具体的な「在校生の反応」を想像し、表し方を考えていきました。
ただ、やはり、観点を変えて他の表やグラフにすることはなかなかハードルが高いことでした。どうしても、これまで表してきた上熊本コースの建物すべてを書いたグラフや、悩んで表し始めることができないチームが、9チーム中4チームほどありました。
すでに各コースのたてものをまとめた表やグラフは存在していたのですが、もう一度、上熊本コースについて、データカードを使って書き直すような活動になっている姿がありました。このような子たちは「新たな表し方」に向かっていない状態だったと思います。また、はじめは、コース同士を比べることを分かっていても、データカードを扱う中で、上熊本コースのみを表すチームもありました。
一方、他の5チームは、3コース同士を比べることを意識し、そのような表やグラフにしていました。
全てのチームで考えが表出したのを見取り、全体で交流する時間をとっていきました。
次の順番で取り上げていきました。
① 上熊本コースの建物や施設 全てをグラフにしたチーム
② 京町コースと上熊本コースそれぞれでグラフを書き、比べたチーム
(このチームも、各コースで全ての建物や施設をかいていました)
③ 3つのコースの食べる店だけをグラフにしたチーム
①のチームは、表とグラフでは、グラフの方が高さで多いことが分かる。というように、表とグラフのそれぞれのよさを考えたようでした。②のチームは、2つのコースを比べて、その差を見たようでした。
この2つのチームの表し方に対して、はるきさんは、「なんで?」「でも…」とつぶやいていました。さらに、「もう1コースあるじゃん」とつぶやいたので、この発言を取り上げました。すると、全てのコースを書いた方がよいことに気付き始める子どもたちが出てきました。
その上で、③の考えを取り上げました。ただ、③の考えを取り上げたチームは、コースごとを表したことよりも、グラフに線を引いたことを強調して説明しました。
すると、その説明に対して、ひろきさんが「ちょっと似ているけれど、違う」とつぶやいたので、子どもたちに「他にも違いがあるか」と問うと、全てのコースを比べていることや食べる店だけにしていることに気付くことができました。
<本時の板書>
さて、今回の時間は校内研だったので、事後検討会もありました。その中で、
① 課題が落ちていないチームや本当に考えたい!となっていないチームがあったこと
② 他のチームの発表に対して、あまりよさや課題が活発にでなかったこと
が課題として、挙がりました。
たしかに、「食べる店だけでまとめるといいかも」という「観点を変える」ことに関して、必要感、目的意識を十分にもてていない姿はあったかなと思っています。
ただ、一方で、全てのコースの特徴を捉えなければ、おそらく、目的意識は芽生えてこないと思います。全てのコースの特徴が分かるからこそ、「池田コースは、公園があるから虫好きな子に伝えたい」という目的意識につながるかと思います。
だとすれば、池田コースの後に、生活科で「誰に伝えるのか」を考える時間があった方がよかったのかもしれません。ただ、そうすると、次の時間の算数で「観点を変える」ことを考えるときに、「違う目的意識」の子たち同士がつながらなくなる可能性もあります。
もし、今回の単元の流れで進むならば、これまでの算数の授業として、次のことが重要だったと考えます。
① それぞれのコースをどのようにしてまとめたのか、個人あるいはチームごとに残しておくこと
② 他チームの表し方を解釈する時間の確保
①は、これまでのとの違いをより意識化するための重要だったと思います。また、②に関しては、まだ2年生なので「自分(たち)の考え」を伝える方に気持ちが向いています。だからこそ、「発表を聴く」よりも、「表出されたものから考える」ことを随時行う必要があると改めて感じました。
本時においても、「食べる店だけ」にしたグラフを提示した際に、そのチームではなく、周りの子たちに「どんな工夫したのかな?」と先に問うとよかったと思っています。
以上、今回は、かなり長くなりましたが、これで実践報告を終わりたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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