かけ算(1)〜かけ算との出合い〜 「1袋分のまとまりは?」6時間目
公開日: 2023年10月6日金曜日
この時間では、子どもたちに「倍」の意味に触れさせることをねらいとして、今まで使用してきた24個のお菓子を使って、これまでとは異なるシチュエーションを設定しました。
T「今日はみんなにお店の人になってもらいます。お菓子はいつもどのように売ってありますか?」
C「なんか袋に入れて売ってあります。じゃないと手でそのまま触っちゃうよ。」
T「お菓子をまとめて一袋100円で売ります。」
C「6袋かな?」
C「4袋だと思う。」
C「クッキーの種類の数で決まるんじゃない?」
C「種類は、ハートとか丸い形とかあった。1つの種類を1つの袋にまとめて、2個目の種類は別の袋に入れるといい。」
C「色も違ったよね。」
C「どれぐらい食べれるかも考えないとね。」
C「あえてバラバラに入れたいな」
C「確かに!」
C「バラバラじゃないともう1回買わないといけないよ。」
袋にどのようにお菓子をまとめていくかの見通しを立てていきました。子どもたちは、お店の人という立場になることで、お菓子のまとめ方に対して今までの「数えやすさ」ではないところにも目を向けていました。また、お客さんはどのようなセットだったら買いたくなるかという視点に立って考え始める子も出てきました。
・・・
個別による課題解決中、子どもたちはさまざまなことを呟きながら、新たなまとまりをつくりだしていました。まとまりをタブレットを用いて共有することや教師がその呟きを繰り返すことにより、見方を広げていきました。
C「やっぱり同じ種類にしたほうがいいかなあ」
C「バラバラにしたいな。いろんな種類があったほうが面白いよ。」
C「いろんなふうにまとめたら、残り4個になっちゃった。」
・・・
T「今、他の友達の考えをタブレットで見ていますが、この人の考え方を聞きたいという人はいますか?」
C「この友達の考えを聞きたいです。」
C「8個入りかなあ。」
C「お尋ねです。どうやって分けたんですか?」
C「色で分けました。」
C「何で1袋8個にしようと思ったんですか?」
C「かけ算がしやすいからです。」
T「かけ算はどうなりますか?」
C「8×3になります。」
・・・
C「さっきのと似てる。」
C「お尋ねです。どうやって分けてるんですか?」
C「種類ごとに分けています。」
C「4個の種類ごとにわけているのかな?これも8×3になります。」
・・・
C「お尋ねです。何の種類に分けたんですか?」
C「6個の種類で分けました。」
C「何の種類で分けたんですか?」
C「種類では分けてません。バラバラになっています。」
・・・
C「お尋ねです。なにごとにわけていますか?」
C「形ごとにわけました。」
C「4×6になるね。」
T「これはいくらになりますか?」
C「600円になります。」
C「一番高いね。」
C「1個の数が少ないほど値段が高くなるね。」
・・・
C「これが一番高いな。」
C「全部2個で分けようとしている。途中だったのかな?」
C「全部2つで分けようとしました。」
C「どう分けたんですか?」
C「丸とか四角とか、全部同じ種類にならないように分けました。同じ袋に同じお菓子は入りません。」
C「どうして2個ずつに分けたんですか?」
C「2個ずつに分けたほうがいろんな人が食べれます。」
C「これだと全部で1200円分だね。」
T「今まで5個の考え方が出てきましたが、バラバラだったり、同じ種類だったり、どうしてそうしようとしたの?」
C「バラバラの方がお客さんが楽しめる。」
C「バラバラじゃないといろんな種類を楽しめないね。」
T「一つの袋にチョコレートだけだったら?」
C「確かに、他のお客さんで食べたいお菓子があっても買えなくなる。」
T「たとえば、3つ目の考え方だったら、バラバラだったけど同じものがない?」
C「並べ方?」
C「形が同じところになる。」
C「袋の中身は同じになってる。」
C「これだと喧嘩にならないかもしれない。僕のには入ってて、私のには入ってないってならない。」
この「喧嘩にならない、一つ分の中身が同じ」というイメージから、その中身が同じものの1つ分、2つ分、3つ分・・・は1倍、2倍、3倍・・・となる「倍」の言葉についておさえていきました。ここまでで、まとまりをつくる「かけ算との出合い」は終了し、今まで培ってきた見方を働かせて次の時間は「身の回りのかけ算探し」を行います。
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