考えよう!ひき算ベストメソッド 1時間目
公開日: 2023年10月30日月曜日
算数科の東野臣祐(とうやしんすけ)と申します。今年度1年生を担任しております。
10月25日に繰り下がりのあるひき算の学習がスタートしました。
一般的に,ひき算の計算方法の指導は,減加法を主体とした指導計画が多く,計算に習熟することを重視した実践が多いと考えます。一方で,減々法に関しては,減加法とは異なる考え方として提示されていたり,指導計画の中盤に、1時間程度位置づけたりしていることが多いです。これらのことは,繰り下がりのある計算の仕方を固定的に捉えさせてしまうことを促し,子どもたちに数についての感覚を豊かにすることには繋がりません。
そこて,本実践は,単元の中盤に,減加法と減々法を比べながら,どんな時に使うと便利なのか考える時間を設定します。
ここからは,第1時の様子をお伝えさせていただきます。
※袋を子どもたちに見せながら
T:ここから何かが出てきます。
C:いちごだ
C:ピザだ
C:違うよ。ケーキだよ
T:この中にケーキがあったんですけど,ケーキは何個あったと思う?
なほ:13きれ。ちょっと小っちゃく切ってあるから,丸い方が10個で,もう1つ3枚あったから,13切れだと思う。
T:あってるのかな?ひろたかくん数えて
ひろたか:12345678910,(どこから数えたか分からない様子)11,12,13
C:あたりだ
きみこ:私は,数える時に,どこから数えたか分からなくなるから,最初のところに線を引いて,そしてから数える。
T:線を引いて数えてみよう
きみこ:ここが最初だとすると,この辺に線をひくでしょう?1234・・・・10,11,12、13ってなる。
T:こっちが10個だね。こっちは3個だね。ケーキが何個あるの?
C:13個
ケーキが13個あります。□こあげると,何個になりますか?
きみこ:□のところには,何の数字を入れてもいいんじゃないかなあ?
なおた:あげるっていう言葉は,ひくっていうこと
T:今,なおたくんは,あげるとという言葉に注目して,ひき算って言っていたけど,本当にひき算なの?
しょう:誰か人にあげるっていうことは,これ(ケーキを1つ)とこれ(ケーキを1つ)とこれ(ケーキが1つ)がなくなるっていうこと
T:だからひき算っていうこと。あげるってなくなるっていうことなのね。
T:□の中に数字を入れてみようと思うのですが。例えばどんな数字がある?
まこ:適当に数字を入れてみるといい。→□の中に12と書いた
T:みなさん,式と答え書いてみようか?
C:13−12=1 答え1個
T:答えは1になるのかな?本当に1になるのかな?あげてみよう→1個ずつあげてみる
C:本当に1個になった。
T:きみこさんが言ってくれたみたいに,□の中に数字を入れて,やっていくのです。でもこの数を入れたらだめという数ある。
けんた:13とか,14とか,13を超えたりしているのはダメ
ゆうき:13はいい。13だったら0になる。
T:14は?
きみこ:ダメ。14からはダメになる。
めあて□の中に数を入れて,式と答えを求めよう
T:□の中に12までの数を入れてやってみようと思うのですが,1人でやりたい?ペアでやりたい?グループでやりたい?
<7班の様子>
きみこ:問題作ってやってみよう。じゃあ式を書きます。
たし算は反対にできるじゃん。8+5=13 13−8=5。
まこちゃんが言ったように,13−12=1もできる。
すずこ:他,何かあると思う?
きみこ:9。9+4だから,13−9=4 ほら答えは4
すずこ:13−7=6でしょ
きみこ:こうた君,こうし君,ノートにこんな感じで書いて
きみこ:反対でもできる。
すずこ:あー。そういうこと
T:ゆうき君がききたいことがあるんだって
ゆうき:あのさー,13−13=0 0になるからないじゃないかな? 班に聞いても意見が出なかった。
さつき:いいと思う。0は数字だし,名前もついているし,形もあるから,数字だと思う。
ゆうき:0ってないってことじゃん
そうま:0はある。
T:0ってどういうこと?
そうま:0ってないっていう数
きみこ:0はないって分かる。
そうま:わかる?
ゆうき:そうまくん,前(0は),何とかという国で作られていた。
しょう:順番を変えたらできる。13−0=13
まこ:13−13=0で 1の下でしょ? 13−13はやっても意味がないと思う。
ゆうき:まこちゃんは,あげるという言葉を目につけたんじゃない?
T:もう少し詳しく言ってくれる?
ゆうき:13−0=13でしょう?あげるということはひくっていうことだから,あげていないことになるんじゃない?
T:しょう君は,ずっと順番に書いていく中で,0を書いたということだね。
まこちゃんやゆうきくん,あげるって書いているから,0個あげるはお話と合わないってことだね。
さつき:0は何もないってことだから,0はダメだと思う。
T:なるほど。さつきさん,8や7は難しいって言ってたけど,どういうこと?
さつき:13−8は,どこをどうひけばいいか分からない。
なおた:なつきちゃんが言っていること分かんない。
ゆうき:数の線を使えばいいかもしれない。
子どもたちは,□の中にいろんな数字を入れながら,考えていきました。0個あげるって合わないということに気付きながら,次時にどこをどうひけばいいか分からないということについて,考えていくことになりました。
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