数のまとまりを見付けよう~第2時 研発当日~

公開日: 2025年2月19日水曜日

 本校三年目、算数科の内田です。
今回は、先日の研究発表会の実践について報告させていただきます。
まず導入では、2人の算数絵日記を紹介しました。
ゆかさんの「あのね」
今日は、1チームにムクロジのたね12こで、いくつのおもちゃができるか考えました。調べてみると、26このおもちゃができました。わたしは、2年生と6年生が来るのに、ちょっとおもちゃが少ないなって思いました。
このあのねを基に、前時を振り返りながら、1チームに12この種を配った時に、
 ムクロジ2個を使うおもちゃのチーム→6つできる
 ムクロジ3個を使うおもちゃのチーム→4つできる
 ムクロジ6個を使うおもちゃのチーム→2つできる
ということを確認していきました。そして、もう1人のあのねを紹介しました。
しょうたさんの「あのね」
今日、おもちゃ祭りで何個ムクロジを配ることを考えました。1チームに12こムクロジを配ることを考えました。でも、ムクロジレースの中で2人できなくなるので、ぼくはやめた方がいいと思います。
このあのねに対して、多くの子が納得しました。その上で、「数を変えたい」「13こならどうか」と考えていた子の考えも紹介し、いくつ配るとよいのかを考えました。
すると、次のようなやり取りが行われました。

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T:ムクロジ13個ならって意見、どうですか?不満ですか?なんで?
ひまわり・しょうた:分けられないから。
れいあ:でも、おもちゃが多くなったら、2年生も6年生もうれしい。
T:多くなったらうれしいんだよね?だから、12個から13個ならいいんじゃない?
C:14個がいい。
しょうた:そしたら、4こできて。
ひまわり:でも違う他のチームは多すぎるよ?
T:13こ、14こって出てるけど…。1チーム同じ数ずつ配るってことは約束しようね。もう少し増やしたい人はいますか?
C:20こ?
C:えー!
C:18こ
ゆうた:ぎゃくに多すぎるんじゃない?
T:18こはどう?
C:おおい。16個は?
T:分かった。いろいろ出ているから数を決めて調べてみようか?
C:14でいく?いいね。
T:14こ(20人程度)
T:15こ(5人程度)
T:18こ(3人程度)
T:20こ(0人)
しょうた:先生、いろんな数を調べたら?そして、おもちゃが何個できるかを調べていく。
T:わかった。いろんな数を調べたい人もいるのね。じゃあ、取り合えず、スタートを決めましょうか。14こが多かったから、14こでいいですか?
C:はい。
T:じゃあ、今日のめあては、「14個配ったらおもちゃはいくつできる?」にしようか?

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予定では、「おもちゃ1つに3こ使う」チームならば、12+3=15と考え、15こが出るかと思っていました。ただ14個でも、等分できるチームとあまるチームが出てくるので、自ら数を決めて等分できるかを試していくという、本時の大きな流れと差異はないと考え、14個について考えることとしました。

おそらく、子どもたちの中には、まだ「3のまとまり」や「+3」のイメージがなかったのだと思います。12を扱ったものの乗法の素地がまだ豊かになっていないことが分かります。
このあと14個の種だと、おもちゃができるのか、各チームで調べていきました。すると、口々に、「先生、あまりました。」「これじゃ意味がない」などのつぶやきが聞こえてきました。
その後、おもちゃを2こ使うチームの考えから共有していきました。すると、2のまとまりが7つできることが、図から明らかになりました。その後のやり取りです。

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T:なんかできないっていっているけれど、できそうじゃない?
C:3ができない。2はできる。
C:だけど15にしたら、3はできるけど、2はできない。
しんたろう:2のまとまりをつくって、あまらないように、まとまりを使った。2個使って、おもちゃがいくつできるかを調べた。
T:結果は?
しんたろう:7こ。
T:式は?
C:2+2+2+2+2+2+2=14
T:納得?じゃあいいじゃんね。
C:3ができない。/15こにしても、ムクロジレースはできる。
しげる:14個にしても結果は同じだった。
C:そうです。
(しげるがイラストを操作して、1つのおもちゃに種を3個使うチームの分け方を見せる)
C:わかる。わかっちゃった。
しげる:これが結局最初の12個の時の4こと、14個のときの4個が結果として同じで。この14にしたら、12から14になるときに、12に2が入ってきたから、この2が余った。15だったら…。
T:まず、今の途中までいいですか?12個だったらおもちゃが4つ、14こでも4つここまでいいですか?何とかだったらっていうのは?
しげる:2があまっちゃった。だから、結果が結局同じになる。
T:これ、あまり見える?
しょう:あと4こだったらちょうどいい。
ゆうた:あと1個でも。
T:あと1個ってどこにある?気持ちわかる?
ゆうた:まず、これここに1こ合わせて、14個でここに1たすと、だから3(のまとまり)ができる。すると、おもちゃがもう1つ増えることになる。
T:1つ増えたらどうなるの?
C:3こができる。3のまとまりができる。

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あえて、「あまる」数としたことで、「あといくつで…」と子どもたちは考えていきました。3のまとまりを意識していることが分かります。等分できる数のみの検討であれば、このように、自ら3のまとまりを見付け出そうとする姿は、見られなかったのではないかと考えます。そして、あまったからこそ、14を変えようという発言につながっていきました。
このあと、1つのおもちゃに6こ使うチームについても検討し、やはりあまってしまうことや14こではおもちゃの数が結局同じ2つのままで意味がないことの発言がありました。そして、18だといいのではないかという予想が出されたため、18こだとどうなのかを調べていきました。
調べた後のやり取りです。

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T:じゃあ最後、前に集まりましょうか。
ゆうた:ぜんぶあまってない。
えいた:全部、あまっていなかった。
T:れいあさんとせいやさんのところ(おもちゃに2こずつ使うチーム)かな?
C:2・4・6・8・10・12・14・16・18。/いけてる。/これ、結構作れるぞ。
T:これゆりあさんね。
C:6こ!6個作れる。意味あるね。
T:これは?
C:6のまとまりが3こ。
れいあ:こっちは、2のまとまりがある。
C:だから、18こがちょうどいい。/18こだったら、全部あまっていない。/全部あまらない!
ゆうた:18のまとまりなら、何でもできる。
C:3のまとまりもできる。
しょうた:最強の数は18!
ゆうた:おもちゃ祭りの最強の数は18です。
T:確かにね。今日の振り返りをしたいと思います。数を変えて確かめてみたね。そしたら、14こはできなかったけど、18に変えたら、うまくいったね。あと、あまりについても図で考えたね。
ゆうた:10もやりたい。
しょうた:10ならあまりそう。
T:いろいろ数を変えてみたいんですね。
C:20もやりたい。でもあまりそう。
T:じゃあ、今日、算数絵日記に何書く?話してみて。

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このようにして、子どもたちは、数のまとまりに着目しながら、18という数のおもしろさも感じていきました。
 「あのね」には、18のおもしろさやそれを見付けた驚きなどの記述や他の数でもやってみたい。特に24はいけるはず!といった気付きがありました。
  本時で終わるつもりの単元でしたが、授業研究会でも様々なご示唆をいただいたので、「他の数でも調べたい」という思いにのっかって、もう1時間だけ続きをしようかと思います。
  それでは、第3時をお楽しみにしていてください!
  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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