かけ算(2)〜かけ算の世界を拡げよう〜 今までの学習の振り返り 26時間目

公開日: 2023年11月12日日曜日

 子どもたちは、この単元の中でさまざまなモデルをつくりだしてきました。

それを7×4を使ってもう一度考えていきます。この時間では主にさくらんぼ計算とブロック図を使ってきましたが、今回は復習も含めて、その他のモデルにも触れていこうと思います。

 

まずは、同数累加の考えです。

7+7+7+7で考えます。

 

この同数累加の考えを表出しやすいのがチーム図です。「1チーム何人」のようなまとまりで捉えやすい、アレイ図になっています。この図は、ノートに貼れる形のワークシートにしています。以下、モデルシートと呼んでいきます。



このモデルシートについては、7のまとまりがなかったとして自分で〇を描き込んでつくっています。

この図は同数累加と相性がいい図と捉えています。

 

 

・・・



交換法則と相性がいい図として、このような敷き詰められたブロック図です。縦の関係と横の関係を捉えることができれば、交換法則を用いても内包されている量は不変であることがわかります。

 

・・・

次に、算数セットなどの動く形のブロック図です。



このモデルは動的なモデルになるので、分配法則が見えやすくなります。ノートに整理することも可能ですが、それは式が先行している場合(すでにさくらんぼが見えている場合には有効に働きます。)しかし、まださくらんぼが見えていない状態や、どう分ければいいか見当をつけている状態では動かし、動かし直すことが可能になるので、こちらのモデルが有効であるように感じます。また、説明する際にも分けるという動きが分かりやすく伝わるので、分配法則と相性がいいと考えています。この時間では、動かしたモデルからさくらんぼ計算の式を立式する経験をさせていました。



この時間に、このような学習を取り扱ったのも、「この考えがあっているかわからない」とノートに書いている子どもがいたためです。

手元や黒板にあるブロック図をこの操作の通り動かしなおすことで、この考え方は最初の形に戻っているだけであるということに気づいていきました。

 



  先ほどのブロック図の話で、さくらんぼ計算のモデルも出てきました。この単元では最初、結合法則と分配法則によるさくらんぼ計算が出てきていたのですが、徐々にかけ算のさくらんぼ計算は分配法則に収束しつつあります。結合法則によるさくらんぼ計算は図で表すことが難しく感じている子が多いためです。また、かけ算を拡げていく学習の中で、このさくらんぼ計算が結合法則と分配法則の双方を取り扱った言葉と定義づけしてしまうと、発達段階の観点からも、まだ一緒には取り扱わない方がいいと判断し、分配法則によるさくらんぼ計算を価値付けていきました。

 

 さくらんぼ計算を上記のように定義した上で、考えるべきことが出てきます。この時間でも出てきていますが、7×4の7を分解するのか、4を分解するのかという問題です。既習を使って求めていくためには、7を分解した方がすぐに説明がつきます。4を分解した場合は、7の段の計算はまだ存在していて、7の段は未修のため、どのようにそれらの計算をしたのか、もう一段階、問う必要があるように感じています。

この「どちらを分けるのか」、「どう分けたのか」の分け方については、残りの時間を進めていく中で、子どもたちに着目させていきます。

 

最後に、交換法則や倍、同数累加が見えやすくなるものとしてのモデルとして、かけ算九九表があります。



よく、かけ算九九表のきまりなどで、単元の終末に登場し、ガッツリと取り扱いますが、単元を進める中で子どもたちと一緒につくりあげていくことで、自分たちのものとして使い始めています。この単元ではすでに、交換法則も見出してきています。また、横の拡がりもかける余地を残していること、別の紙で、縦の拡がりもできるようにしていることで、かけ算九九表の拡張もできるように設計しました。このかけ算九九表は常に教室側方に掲示してあります。

 

 子どもたちが主に取り扱ってるモデルは今回紹介させていただいたようなものです。

  次の時間は、7の段までの暗唱を取り組みました。その次には、8の段にも今まで子どもたちが見出してきたかけ算の性質や法則を使って求めることができるか、モデルを使って試していきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

算数科 津川
  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A

0 件のコメント :

コメントを投稿