図を使って倍の見方を広げよう~小数のわり算③~
公開日: 2024年2月4日日曜日
小数のわり算の第5時についてお伝えします。
第5時は、「あまりがあるときとないときを見分けたい」というあつとさんの算数日記を読みました。この算数日記を読むと、「たしかにやってみたい。」「うまく見分けられるかな…。」という反応が返ってきたため、子どもたちに本時でしたいことを尋ね、めあてを設定しました。
「6Lのジュースがあります。4人で等分します。1人分は何Lですか。」
子どもたちの解決方法には次のようなものがありました。
あらた:6Lを60dLにして筆算をする。(①)
ひでこ:6Lを4Lと2Lに分ける。4÷4=1、2÷4を20÷4にして
5。5を10等分して0.5。1+0.5=1.5L(②)
ふみや:6を10倍して60÷4=15。15÷10=1.5L(③)
しゅう:6Lを60dLにして、40と20に分けてそれぞれ計算する。(④)
あいか:1目盛り0.5の数直線をかいて求める。(⑤)
子どもたちは、それぞれの考えを認めながら、①~④の考えは、どれも×10をして整数にしていることに気付いていきました。
あいかさんの考えに対しては、次のようなやり取りがありました。
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C :できないよ。
きりと:無理なんじゃないの?
あいか:1目盛りを0.5にしながら数直線をかく。
やまと:なるほど。
きりと:その手があったか。
あいか:私は、こうして。まず4等分するために、1ずつとっていって。
あまりは4つないから、この2を0.5を4つみたいにして等
分して。そして1Lと0.5Lをたして1.5L。
T :どうして数直線でしようと思ったの?
あいか:2÷4ができなかったから、1じゃなくて0.5の目盛りにして
図で答えを出した。
第5時の板書
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この「1目盛りの大きさを1よりも小さい目盛りにする」というアイディアは、「小数のわり算」にも生かされていくと思います。予想していなかった解決方法でしたが、子どもたちの算数日記を読むと、このアイディアをいいと思っている子が多くいました。
この後、子どもたちに前時の問題を振り返らせながら「あまりありとなしは何がちがうのか?」と問うと、「何個分を尋ねられたらあまりがなく、1人分だとあまりがない場合がある」と結論付けていきました。
「小数の倍」の学習では、整数倍の考え方を拡張し、小数にも範囲を広げていくことが重要です。このことは、包含除によるわり算の意味も同時に拡張していることになります。つまり、「いくつ分を求めること」から「○○にあたる大きさを求めること」になっていきます。
「テープが3.5本分っておかしいね。」という子どもたちの感覚を大切にしていくことで、より小数倍への違和感となり、その意味を捉えるきっかけにしてほしいと思っています。
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